「ヤマザキ 春のパンまつり」ガチ勢の徹底攻略ブログがアツい!調査5年目のブロガーに舞台裏を聞いた

目的は「効率を突き詰めること」ではなく「パンまつりを楽しむこと」
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日本国民なら(多分)誰もが知っているであろう一大イベント「ヤマザキ 春のパンまつり(以下、パンまつり)」。今年で41回を迎える同イベントだが、この祝祭の攻略に取り組む「ガチ勢」が存在することをご存じだろうか。

毎年、パンまつりの対象商品の実売価格と点数効率、カロリー計算などを緻密に調査するブログで話題を集めるゲムぼく。さん(@gamebokusan)に、知られざるガチ攻略の裏話を聞いた。

2020年の記事はこちら

「今年は衝撃的事件が起きました」ヤマザキ春のパンまつりガチ勢が公開した攻略情報が熱い

2016年から続く人気攻略ブログ

出典:山崎製パンニュースリリース

パンまつりは、山崎製パンの商品についてくるポイントシールを28点分集めると、もれなくアルク・フランス社製の白いお皿が1枚もらえる企画。1981年の始まりから41年続いている長寿イベントで、交換されたお皿は累計5億枚を超える。

ゲムぼく。さんは、「ヤマザキ春のパン祭り徹底攻略!」と題して、2016年からパンまつりをいかに効率よく攻略するかを追求するブログを公開している。

ブログの内容は、山崎製パンが公表している対象商品情報をもとに、実売価格・割り当てられた点数・カロリーなどを集計し、そこから商品ごとの「価格効率(シール1点分を得るのに何円かかるか)」と「カロリー効率(シール1点分を得るのに何カロリーかかるか)」を導いてランキング形式で紹介するというもの。

2021年(速報版)は点数が公表されている33商品を集計。後に公開された完全版では338商品まで対象を拡大している

また、「初心者向け」「ベテラン向け」と分けて、その年のパン祭り攻略ポイントや、前年からの差異情報などについて、分かりやすく丁寧に解説している。

パン祭りを本気で楽しむ人にとっては、まさにバイブルと呼べるコンテンツなのだ。

ゲムぼく。さんがパン祭りにかける情熱は、いったいどこから湧いてくるのだろうか。

小学校のころから価格と点数の関係に興味を持っていた

ーーヤマザキ春のパン祭り研究をブログに公開し始めたきっかけを教えてください

ゲムぼく。:ヤマザキ春のパンまつりについては、昔から「なんで商品ごとに点数が違うんだろう?」という疑問がありました。

そして2016年2月、なんとなく山崎製パンのWebサイトを見たら、「主要対象商品の点数一覧」というPDFをみつけました。

ちょうどそのころ、個人的にネットスーパーを利用し始め、販売値段をすぐ調べられる環境もある。この2つを使えば「パンまつりの価格効率を計算できるんじゃないか?」と考えたのがきっかけです。

もともとぼくのブログ(『ゲムぼく。』)で、ゲームのさまざまなデータを収集・分析したり、仮説を立てて実験したりということをよくやっていました。

それと同じ感覚で、「調べてみたら楽しかったから自己満足で載せよう」というモチベーションで始めました。 

記念すべき2016年の冒頭。「祭りといえば○○」のフレーズは年を重ねるごとにスケールアップしていく

ーーパン祭り研究自体は、2016年以前からもやっていたのですか?

ゲムぼく。:研究というほどの体系立てたものではありませんが、パンまつりの時期にスーパーでパンを買うとき、脳内で「価格を点数で割る」計算は昔から趣味でやっていました。小学生のころ、親の買い物についていっていた頃からやっていたと思います。

なので2016年以前から、「どうやらこの点数というやつは、実売価格とキレイな比例関係になっているわけではなさそうだぞ。食パンがやけに点数が高い気がするぞ」という感覚値は持っていました。

なんと、ゲムぼく。さんは小学校の時にはすでに、パン祭り攻略の礎を作り始めていたのだ。

ー年に一度の研究結果発表、回を重ねるごとにどのようなブラッシュアップがなされてきたのでしょうか

ゲムぼく。:2016、2017年は主要対象商品のみの小規模な調査だったのですが、それでも一定数の反響があり、「あれ? これって、意外とぼく以外の人も楽しめるデータなのでは?」ということに気づきました。

そこで、2018年から調査をほぼ全対象商品に拡大しました。2019年からは、各商品の昨年度からの点数変化についても調査しています。

ジャンル別の平均も算出

そして最新の2021では、外出自粛・在宅時間増加の影響などもあってか「カロリーが気になる」という声を聞くようになったので、カロリー情報(買った商品を全て食べた場合の値)も調査するようにしました

Twitterで1万リツイートを超える大きな反響をいただくようになったのは、2019年からですね。2019はナイススティックのぶっ壊れ強化(0.5→1.0)、2020はダブルソフトの弱体化(3.0→2.5)と主力商品のポイントが変化したり、2021にはお皿1枚交換するのに必要な点数の急上昇(25→28)など業界を震わすニュースがありましたから、注目度も高かったのだと思います。

 

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