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みなさんこんにちは、小野ほりでいです。

「19歳までの経験は、残りの全人生と同じ価値がある」と言われますが、はたして学生時代の位置付けはその後の人生の縮図となっているのでしょうか?

 

<登場人物>

エリコちゃん

元気が取り柄の新人OL。おっちょこちょいがタマにキズ。

 

ミカ先輩

エリコの先輩。びっくりするとこの表情のまま動かなくなる。

 

 

 

 

エリコちゃん、久しぶりにお便りが来たわよ!

わあ、また例のキヨミさんですか?

(エリコちゃん、雰囲気変わった…?)

あ、わかった、タバコを吸ってるのね!

ダメじゃない、口唇期固着なんじゃないの?

余計なお世話です~!

 

 

 

エリコさんミカ先輩初めまして、いつも楽しく拝見しております。僕は高校生の涼也(りょうや)といいます。僕はひどい運動オンチで、これといって取り柄もなく、口下手なので友だちが少ないし、モテません。恐らく骨折でもしない限り、卒業まで女子と会話することもなさそうです。手を伸ばせば届く距離に華やかな世界があるのに、自分にはそれに触れることすらできないと思うと毎日気が狂いそうです。僕は一生このままなのでしょうか? 何かを変えなければならないのはわかっているのですが、どうしていいかわかりません。

 

 

 

重い話ですね…。

なるほど…。涼也くんは体力・コミュニケーション能力とメンタル面の三重苦で、スクールカーストの下位に押しこめられているのね。

 

高校でモテない人って一生モテないんですかね?

そんなことはない…場合もある!

長い目で見れば人生には「文化系の逆転現象」があるのよ。

 

 

 

 

 

ぶ…文化系の逆転現象!!!!!??????????

 

 

 

 

 

 

 

文化系の逆転現象とは

 

いきなりこんな言葉を使っても意味がわからないわよね?

そこで、ミカグラフをもとにこの現象をわかりやすく説明してあげるわ。

よかった~。

 

 

 

 

 

 

まず。これが一般的な体育系のチヤホヤ度を表したグラフ…。

若いときから肉体的なポテンシャルを活かしてメキメキ頭角を現し、そのモテ度は体力と経済力が合わさる30歳前後にピークを迎えるわ。

なるほど。

 

 

 

 

 

そして、こっちが文化系のチヤホヤ度グラフ…。

ごく若い頃には伸び悩むものの30を越えてもその成長は衰えず…文化的なアイデンティティと権威が絡み合って、ジリジリとその価値を増していく。

 

 

 

 

 

 

2つのグラフを合わせると、おおむね30歳前後で逆転する算段になるのよ。

 

 

 

 

す、すげぇ~~~!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

なぜ彼らの立場は逆転したのか…。

その原因を実例に、クローズアップして見てみましょう。

 

 

 

 

 

年代によるコミュニケーションの変化

 

まずは10代における文化・体育系それぞれのコミュニケーションのモデル図を見てみましょう。

 

 

 

10~20歳・体育系

 

 

マクドナルドででかい声で話してる高校生男女のグループを思い浮かべればわかるとおり、もう内容が何であれ異性といるのが楽しくて仕方ねえ時期よ。

あのころはよかったなあ~。

 

 

 

 

10~20歳・文化系

 

キモがられてますね。

キモがられたって、話す機会が与えられただけマシというレベルの世界よ。この時期は、女子のほうが圧倒的に価値のある生物だからね。

そして次は、流れが変わりはじめる20代…。

 

 

 

 

20~30歳・体育系

 

 

自慢話、武勇伝の羅列でも目を輝かせていたはずの女の子の食いつきが、ちょっと悪くなりはじめる…。でも、まだまだそれに気付くような状況じゃなくモテモテよ。

今までモテてきた自信ってやつですね!

 

 

 

 

 

 

 

20~30歳・文化系

 

 

この時期、文化系は思春期特有の自意識過剰がいい感じにほぐれて、女子と会話が通じるようになるわ。同じ趣味の仲間もできて、遅れてきた青春なんてしちゃったりよ。

すっごい調子に乗りそう!

そして決着の30代…。

 

 

 

 

 

30~40歳・体育系

 

「この人は、なぜこんなつまらない話を堂々とするの?」

ここでついに女子が露骨に退屈がり始める!

そこで男はやっと気付くのよ…。

 

 

 

 

自分は赦(ゆる)されてきたのだと!

 

 

 

 

 

 

 

どっひゃ~~~!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

女の子がこの男の話を聞いてくれたのは、おもしろかったからじゃない…!

ほかの物質的な魅力ゆえに我慢してもらっていたのよ…!

そんなこと3、40になって言われても…!

その通り…いずれ失われる自分の資質に頼るばかりで何の武器も身につけてこなかった事実が、ある日突然、孤独という現実を突きつけるのよ!

肝に銘じておかないとですね。

一方で文化系の男はというと…。

 

 

 

 

 

30~40歳・文化系

 

 

 

逆にハンバーグって何だよ。

このころには、自分の趣味も人脈やなんらかの権益といった説得力を帯びている…。これに、自分は何もせずに文化的でありたい女の子が食いつく食いつく。

 嫌な表現ですね。

そしてこの男はこう言うのよ…。

 

 

 

何が灰色の青春だよ! いつまでそんなものを自分の権威で界隈の女食い散らかす免罪符にしてるんだよ! アレもアレも全部知ってるんだからな! 恥を知れ! クソ!! としゃぶつ!!!! バーミキュライト!!!!!!

 

こいつが悪いんだよ!! 誰かこいつを何とかしろよ!! 助けてください!! 誰かこいつを殺してください!!!!

明らかに実在する誰かの話になってる~!

おっと…こりゃ失敬!

とにかく、人というのは「手っ取り早く文化的なものを享受するために、なんらかの対価を払う生き物」だということは憶えておいて損はないわよ。

はい!

 

 

 

ミカの蛇足

そして、ついでだけどこの”文化系の逆転現象”に似たことは、女性にも起こりうるのよ。

どういうことですか?

たとえば美人と不美人は不公平だっていうのはみんなが知ってることだけど、若さや美しさがわりと早く失われてしまう価値であることに異論はないわね。

 

 

 

 

 

美人に生まれ、当たり前のようにチヤホヤされて何の特質も磨かないと、外見が衰えた時には何の武器も持たずに、徒手空拳で戦わざるを得ない自分に焦るはずだわ。

一方で、不美人に生まれて「あ、自分には何もねえ」と早めに気付けたら、そこで誰でも一様に持ち得る「若さや美しさという凡庸なもの」とは違う特質を磨くチャンスが生まれるの。

それは、美人にもあるチャンスでは?

そうだけど、飛び道具を持ってるのに「体術を磨こう」なんて思わないのがだいたいの人間なのよ。

自分ではない、自分の着ている肉体がチヤホヤされているだけなのに、「自分は価値のある人間」だと思い上がり、注目や親切を受け取って当然の環境でぬくぬく暮らす…。

そして衰えとともにその肉体的なアドバンテージが薄れ、やっと人生が普通の人と同じレベルになったときに彼女は苦しみ、そして気付く…。

 

 

 

自分は赦(ゆる)されてきたのだと!

 

 

 

 

 

 

どっひゃ~~~!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

そして、若いうちにそういったアドバンテージに頼ってきた人ほど、衰えてからこういうことを言うのよ「若い人ばかり優遇されて不公平だ」と…。

えげつない話でんな~。

でんな~?

しまった…!

あなた、さてはエリコちゃんじゃないわね!

クックック…。

ばれてしまっては仕方ない。

あなたは誰!?

私は・・・70年代を引きずっている男…。

 

 

さらばだ…。

 

 

70年代を引きずっている男、只者ではないわね…。

 

 

 

 

※       ※

ということがあったのよ。

そうなんですか。

でも実際、不利な環境にある人って、別の武器を磨くどころか嘆いて同情を集めようとしたり磨こうとする人を嘲って引きずり降ろそうとしたりで、恵まれた人より陰湿ですよね。

(おわり)

書いた人
小野ほりでい

がんばってイラストも描くライター。人気ポータルサイト「オモコロ」で活動休止中。TwitterIDは@onoholiday

コメント

みずいろ @MizuiroFolder 2014年5月2日
小野ほりでいきてたか 「自分は赦(ゆる)されてきたのだと!」
さぱー @saper_studio 2014年5月3日
人物紹介が伏線になっていたとは
16TONS@最近ゲームやってねえ @moonintears16t 2014年5月6日
70年代を引きずっている男、只者ではないわね…。 そして最後の顔である
ベカムさん @nabekama37 2014年5月7日
最後のエリコちゃんの言葉が真理をついている!