『今年の新語2021』選考発表会レポ 誰も予想できなかった「チルい」が大賞に選ばれた理由とは
国語辞書のトップメーカー・三省堂による「今年の新語2021」の選考発表会が、2021年11月30日に東京カルチャーカルチャーにて行われた。
今年もトゥギャッチ編集部は選考発表会に参加し、リアルタイムで発表の様子を見守った。
昨年の様子はこちら
今年の新語に選ばれた10語は以下の通り。
大賞に選ばれたのは「チルい」。チルい!?筆者(29歳)は、大変お恥ずかしながらこの言葉を会場にて初めて聞いた。
大賞に選ばれたってことは、そんなに広く使われまくった言葉だったのか!?私が時代に取り残されていただけなのか?そんな不安に駆られたが、会場では同じく「えぇ…」というどよめきが。
しかし、辞書作りのプロによる解説をじっくり聞くと、ぽんと膝打つ納得の選定理由があった。選考発表会の様子をご紹介する。
「今年の新語」とは
「今年の新語」は、一般人から「その年によく聞いた、よく見た言葉」を募り、集まった候補の中から辞書を編む専門家が選んだ新語トップ10を発表するもの。
今年の応募総数は1525通で、被りを除いて775語の新語候補が集まった。
「今年の新語」のポイントは
一時的に爆発的に流行して、その後すぐ忘れ去られる流行語ではなく「将来辞書に収録される可能性がある日本語」を選び、日本語の変化をいち早く捉えること
にある。
つまり、今後も日本語として定着する期待が高いかどうか、という基準に重きを置いて選ばれているのだ。こちらを踏まえて、2021年に選ばれた言葉たちを見ていきたい。
10位~2位までの語釈
ここからは、今年の新語に選ばれた言葉と、その語釈を紹介する。10位から2位までは、各辞書の編集部がそれぞれの辞書の特色に合わせた語釈を担当。
大賞は、4辞書の編集部による4種類の語釈が書き下ろされた。
語釈の長さやテイストの違いにもご注目。
第10位 「Z世代」
第9位「おうち○○」
今年の新語は、完全に新規の言葉だけでなく、もともと辞書に掲載されていた言葉が、これまでと異なる意味合いでも使われるようになったことで、新たな語釈が追加されるパターンもある。「おうち」の場合は、語釈2がそれにあたる。
第8位「更問い」
7位「ギグワーク」
6位「ウェビナー」
5位「人流」
4位「投げ銭」
3位「マリトッツォ」
2位「○○ガチャ」
大賞「チルい」
詳しい選定理由などについては、次のページから。
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