2021年11月18日

【古書で発見!!エンタメっち】マッチングの祖?オタク向け個人情報マガジン「X-MARKET」を知っているか?

オタクと友達になりたいオタクたちの雑誌が存在していた
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私事で恐縮ですが、平成あたりに出たカルチャー系の書籍・雑誌を買うのにハマっております。ネットの情報と違い、文体や装丁などから当時の空気が感じられますし、知りえなかった発見もあって面白いんですよね。

この記事では、自分(ディスク百合おん)が購入した古本を特に興味深かったポイントをピックアップしつつ紹介していきたいと思います!

前回の記事

いわゆるオタク系情報誌と思いきや?

こちらは「X-MARKET」(クロスマーケット)1999年3月号。新声社という出版社から刊行されていた雑誌です。

X-MARKET 

萌え系のイラスト(吉崎観音先生の絵ですね)に「同人誌」「トレーディングカード」という文字が並び、一見するとオタク向けの情報誌ですが、よく見ると…

アニメ・ゲーム世代の「個人情報マガジン」との文字…これは一体?

「個人情報マガジン」について説明しよう

95年にリクルートの子会社(当時)である「リクルートフロムエー」が創刊した「じゃマール」という雑誌がありまして、これが初の「個人情報マガジン」でした。

どんな内容かと言うと「読者同士での情報交換、売り買い、交流」を行う為、投稿された個人情報が大量に掲載されておりました。すごく大まかに分かりやすく言うと、「誌上フリマアプリ&マッチングアプリ」といった感じでしょうか。

この頃「たまごっちブーム」や「フリーマーケットブーム」があり、個人間でのやり取りが増え、敷居が低くなり始めていたタイミングだったようです。さらに、パソコン通信も全盛期であり、通信上での情報交換も盛り上がっていましたが、まだ一般家庭に普及するまでではなく、やりたいけど出来ない層の需要にピタリとハマって部数を伸ばし人気を博しました。

「X-MARKET」も「じゃマール」のような「個人情報マガジン」雑誌でした。ただ違ったのは「アニメ・ゲームグッズ」さらには「コスプレ・ゲーセン仲間」など、オタク向けに特化した「オタク向け個人情報マガジン」だったのです。

インパクトある紙面

まだイメージ出来ていない人もいるかと思います。紙面の一部を見てみましょう。

ほんの一部ですが、このように、小さなスペースに応募した投稿者の目的とプロフィールがぎっちり。これが何十ページも続いております。

本誌は、ゲーム・アニメ&特撮・コミック・コスプレ…など、ジャンル別に掲載されておりますが、その中でもさらに目的が違うので、買います・売ります・譲ります・譲ってください・会員(サークル)募集・友達orパートナーになって…と様々に振り分けがされており、非常に混沌としております。

あと、モザイクの部分には、本名・住所・電話番号などが思いっきり載っております。これもなかなかの衝撃ですね…。

ただ、プライバシーを配慮した対応もしております。例をあげると、こちら本来は住所掲載される欄に、謎の数字の羅列がありますね。

これは「転送サービス番号」というものです。転送―サービスを利用している投稿に関しては、応募されたものがまず編集部に届き、そこから読者の元へ届けられていたようです。

 

トラブルも多かったのでしょう。対策として注意事項はしっかりと数ページに渡ってまとめられておりました。「編集部は一切責任を負いません。すべて自分で対処してください。」の一文が重たいですね。

有象無象の投稿たち

具体的にどんな情報が載っていたのか、興味ありますよね?

投稿した方が特定されないよう配慮しつつ、こっそりピックアップして見ていきましょう。

いわゆるメルカリ的な「売ります」投稿ですね。にしても「ときメモの等身大ポップ」2体を写真無しで出すというダイナミックさ。ちゃんとやり取りできるのか、送料いくらかかるのか。ちゃんと入手できるのか、フリマアプリに慣れた自分が見るとギャンブル要素を強く感じてしまいます。

 

ややマイナーな名作スーパーファミコンソフトのピンポイントの攻略法を聞く人。正直、掲載を待ち、そして応募を待っている内に解決しているような気も…(友達作りのとっかかりなのかもですが)

見ごたえがあるパートナー募集

パートナー(彼氏・彼女)募集も気になる方は多いかと思います。こちらもこっそりと一部お見せしましょう。

「アニゲな彼女募集!!」プリクラが貼ってあるのが当時らしくて良いですね。ちゃんと顔を出していると向こうも安心感があるでしょうし。手書きの紹介文も丁寧で実直な性格が見て取れます。

なかなかパンチがあるのもありました。

「おにーちゃんほしい。(16才・女性)」

「こにゃにゃちはー©ケロちゃん(24才・男性)」

…どちらも挨拶が眩しいですね!

特に、女性の方はマンガから飛び出してきたようなファニーな文体で、おにいちゃん達はいてもたってもいられなかったのではないでしょうか。

今見ると、その直接的で本気を感じさせる内容に、何だか腰がひけてしまいます。ただ、今でもそうですが自分の周辺だけで同じ趣味・愛好を持つ人と知り合うのは難しいですよね。だから、こういう雑誌は画期的だったのだと思います。

「個人情報マガジン」の終焉

いかがでしたでしょうか?なかなかのインパクト、今とのギャップがかなりありましたね…。

その後、パソコン通信はインターネットに移り変わり、パソコンの高性能・低価格化、スマホなども登場して誰でも手軽に使えるようになりました。そうやって、やり取りが紙面上からネット上へ移行していく中で「個人情報マガジン」もその役目を終え、「X-MARKET」も御多分に洩れず廃刊になったという訳です。

インターネット以前の文化であり、ネット上には堪能できない紙面の独特な空気感。読者達の熱量がむわりと伝わってきて、完全にアテられてしまいました…。なかなかな体験をさせてもらいました!

引き続き、気になる書籍・雑誌が出てきたら紹介していきたいと思います!

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