Togetterでは、何か新しいことに挑戦する人による、その様子を紹介するまとめが数多く投稿されている。2021年10月に作成された「電子工作初心者 お母ちゃんの SHISEIGYO-3 への道」もその一つだ。
「SHISEIGYO-3」という単語にピンとこないが、きっと初めて電子工作に挑戦する方が、電気で動く簡単な装置のようなものを悪戦苦闘しながら作るのだろう。そう思ってのぞいてみたら、ぬるい予想を消し飛ばす超高度なテクノロジーの世界が広がっていた。
一点で自立する箱型モジュール
まとめを作ってくれたのは「HomeMadeGarbage(ホームメードガービッジ)」というブログを夫婦で運営しているアカウント(@H0meMadeGarbage)で、今回電子工作に挑戦したのはお母ちゃん(敬称略)※のほうだ。
※ブログは「お父ちゃん」と「お母ちゃん」の名義で執筆している
お母ちゃんが制作した「SHISEIGYO-3」は、日本語にすると「自立式3軸姿勢制御モジュール」。その名のとおり、自力で姿勢を制御する箱型のロボットのようなものだ。人工衛星の姿勢を制御するために開発された技術を参考に設計されている。
文章で説明しても凄さがいまひとつ伝わらないかもしれないので、いったんお母ちゃんがTwitterに投稿した完成品の動画をご覧いただきたい。
【ブログ更新】
電子工作初心者 お母ちゃんの SHISEIGYO-3 への道⑩
起き上がり動作確認・・完成!
ついに完結です
#姿勢制御モジュール #リアクションホイールへの道
#電子工作 #DIY
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— HomeMadeGarbage (@H0meMadeGarbage) 2021年10月8日
SHISEIGYO-3を作動させ、本体を「一辺」で支える状態にすると、手を放してもバランスを保ったまま自立する。そこからスマホで操作を加えると、一辺で支える状態からさらに進んで「角一点」で自立する。ナニコレ凄い!
電子工作を知らない人間が見ても、SHISEIGYO-3がとても複雑な機構で動いていることが分かる。どうしたって電子工作初心者が最初に挑戦する難易度ではなさそうに見えるが…。お母ちゃんはいったい何者なのか。
トゥギャッチ編集部は、今回の挑戦について詳しくお話をうかがってみた。
お母ちゃんはWebエンジニア
まず前提情報として、「SHISEIGYO-3」はお父ちゃんが1から試行錯誤を重ねて完成させたキットだという。既製品じゃなかった…だと!?
なんでもお父ちゃん、技術雑誌に掲載されていた「3軸姿勢制御モジュール」の特集に感銘を受け、自分で作ってしまったというから驚き。
つまり今回のチャレンジは、お母ちゃんがお父ちゃん作のキットにチャレンジした形、というわけだ。
お母ちゃんが「SHISEIGYO-3」に挑戦しようと思った理由は?
お母ちゃん:いつも間近でお父ちゃんの電子工作を見ていて、「面白そう」「少しやってみたいな」という気持ちがありました。
現在SHISEIGYOのレシピや製作キットもサイトで販売させて頂いているため、 「これは全くの電子工作初心者でもできるのかな?」という検証の気持ちもあり、 勉強がてらやってみることにしました。
お母ちゃんは電子工作初心者ながらも、スタートからはんだ付けや電源コードの取り付け、本体を動かすためのプログラミングなど、複雑な工程をどんどんこなしていく。
「少しやってみたいな」くらいのテンションでここまで抵抗なく電子工作に取り組むお母ちゃん、普段はフリーランスのWebエンジニアとして活躍されているそうだ。なるほど、エンジニアリングと電子工作の間には、相通じるものがあるのかもしれない。
お母ちゃんの挑戦は続く
初めての電子工作をやってみた感想はいかがでしたか
お母ちゃん:今までソフトウェア側のプログラム等はちょこちょこ触ってはいましたが、 「実際に動くモノ」を作るのは初めてだったので感動がありました。
はんだ付けや部品の取り付け等、実作業が難しかったです。一人では出来なかったと思います。
はじめての電子工作を経て、これから新たに挑戦してみたいことはありますか
お母ちゃん:SHISEIGYO-3を作ってみて、マイコンの制御プログラム側にも興味を持ちました。 お父ちゃんからM5Stack※を貰ったので、それを使って何か作ってみたいと思っています。
※M5Stack社が展開している小型のマイコンモジュール
これまでの経験だけでなく、飽くなき好奇心と探究心がお母ちゃんのチャレンジを支えていることがよく分かるお話だった。
HomeMadeGarbageで更新されている記事は、電子工作や音楽制作、ダイエット記録、コスメのレビューなど多岐にわたる。家族ブログらしく、お父ちゃん・お母ちゃんが各々興味を持ったことを書き続けているようだ。また現在更新中のアドベントカレンダーでは、息子さん、娘さんも記事の更新に参加している。
みんなそろって好奇心いっぱいの一家が気になった方は、ぜひTwitterアカウントやブログをのぞいてみては。