2021年9月22日

本番まで共演者の顔がわからない!?コロナ禍の「舞台稽古あるある」をミュージカル俳優に聞いてみた

ミュージカル俳優の大田翔さんが知られざる舞台裏を教えてくれました
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テノール歌手・ミュージカル俳優として活躍する大田翔さん(@ota_sho_34)がTwitterに投稿した、コロナ禍ならではの俳優の苦労を描いたイラストに注目が集まっている。


舞台の現場では感染症対策のため、稽古中にマスクをつける。その結果、本番まで共演者の顔が分からない、という現象が起きているようだ。大田さんの場合は直近で出演した舞台で、夫婦のパートナー役の顔も分からなかったとのこと。

なんだか、結婚するまでお互いの本当の顔が分からない平安時代みたいなお話である。

大田さんのツイートに対して、舞台関係者からも「これ(これ)」「めっちゃこれわかる」「ゲネでびっくりする相手役の顔に」といった共感が寄せられている。関係者のあいだでは、あるあるな現象みたいだ。

普段あまり見ることのできない「コロナ禍における公演の舞台裏」をもっと知りたくなったトゥギャッチ編集部は、大田さんに詳しく話を聞いてみた。

稽古と本番は体全体の雰囲気も変わる

※今回の記事のために、大田さんが新たにイラストを描き下ろしてくれました。ありがとうございます!

マスクを付けた稽古では、どんな苦労がありますか

相手の表情やブレス(息づかい)が分かりにくかったり、声が聞きとりにくくなったりして苦労するシーンはあります。

たいていはゲネプロ(本番と同じ衣装をつけ、劇場で行うリハーサル)で初めてマスクを外すことになります。衣装や髪型、メイク等で稽古中とは目元や体型の雰囲気も変わるので、特に出演者の数が多い舞台では誰が誰だか分からなくなってしまいますね…。

イラストで見るとよりわかりやすい差

また不織布マスクをつけたまま汗をかくと、呼吸がかなり苦しくなります。とくに体を動かすダンサーやアクロバット系の人は大変だと思いますね。

ほかにも稽古中に戸惑うポイントがあれば教えてください

動作についても制限があり、演出もそれに合わせて変化するので、通常よりも演技の難易度が上がっていると感じます。

例えば直近で稽古をしていたミュージカルでは

・床を手で触らない
・向かい合って歌わない(向かい合う場合は2m以上離れる)

・出演者どうしで手を取らない
・違和感がなければ衣装に手袋が追加される
・キスシーンでは口をつけず、フリだけ。

といった制約がありました。

ちなみにこれらは共通のガイドラインではなく、各劇団やカンパニー、または劇場の判断に任されていますが、他の劇団でも似たような対応を取る場合が多いようです。

その他にも、客席に近い舞台前方や、花道・客席を使った芝居ができなかったり、小道具の使いまわしを避けるために個別に用意しなければならなかったりといった、さまざまな配慮が行われているという。

汗のせいで、稽古中に何枚もマスクを変えることもある

コロナ禍における舞台芸術は、こうした徹底的な感染症対策と苦労を乗り越えた末に、ようやくお披露目となるのだ。関係者の皆さんの苦労がしのばれる。

これから舞台を鑑賞する予定がある人は、こういった舞台裏にも思いを馳せてみると、また少し違った視点・発見を得られるかもしれない。

大田さんは、舞台での活躍だけでなく、日本コロムビア所属のヴォーカルデュオ「SIRIUS(シリウス)」のメンバーとしても活躍している。気になった方は、ぜひTwitterアカウントをのぞいてみては。

記事中の画像付きツイートは許諾を得て使用しています。

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