「己の好奇心に殺された」植物園の中の人がドラゴンフルーツの蕾を分解しようとしてひどい目にあってしまう
日本で一番小さな植物園「渋谷区ふれあい植物センター」の中の人・宮さん(@fureai_miya)が、ドラゴンフルーツの蕾(以下、ツボミ)を分解する、という実験の実況ツイートを投稿した。
ふと思いつきで、くらいのライトなテンションで始まったこの企画、フタを開けてみれば狂気の様相を呈していたと話題になっている。
【ヤバい】ドラゴンフルーツの蕾入手して、思いつきで、花弁とかどれ位あるんだろー、並べてみっかって始めてみたんですけど、これ、、、手を出しちゃいけないヤツだったわ。ヤバいわ。ここから先どうすんねん。なんでこんなモンに手を出しちまったんだよぉぉぉ!こんな事になるはずじゃなかったんだ! https://t.co/d9qN570slv
— 心の中の植物園 宮内元子 (@fureai_miya) 2021年8月28日
花弁をはがしていく作業までは順調そうだったが、ツボミの中心部分に至ったところで「手を出しちゃいけないヤツだった」と気付いたらしい。
その理由がこちら。
そう、ドラゴンフルーツは「おしべ」の数がめちゃくちゃに多い植物なのだ!
気付いた時には時すでに遅し。後に引けなくなった宮さんは、おしべ1本1本を摘出してカウントするという苦行に着手した。
ひいひい言いながらも解体を続け、最終的に1173本ものおしべを数えたというから驚きだ。
地獄のっ!雄蕊達!
1173本っ!
雌蕊を取り囲むようにびっしりと伸びていました。1本ずつ綺麗に分けるとしたら、縦割りにして、1段ずつ蕊をバラした方がよかったと後から反省。 https://t.co/CDJ2yS8xTE
— 心の中の植物園 宮内元子 (@fureai_miya) 2021年8月28日
狂気の研究はツボミの解体に留まることなく、ドラゴンフルーツの果実に入っている種の数を集計するステージに突入。画像をご覧いただければわかるように、ドラゴンフルーツには種もびっしり大量にある。新たな苦行の始まりだ。
分かってる。分かってるさ。だって買ったんだもん。自腹で。ドラゴンフルーツの果実の中に種子は何粒あるんだろうねー?って悪魔の囁きに乗ったのは、嗚呼!オレだよ!この自分さぁ!でもね!知ってるだ!この果実の中には死ぬ程種子が詰まってるってことを。しかも!ゴマ粒大だってことを!胡麻粒よ! https://t.co/DKYAmPmfIb
— 心の中の植物園 宮内元子 (@fureai_miya) 2021年8月29日
ほんのー小さなー欠片からぁー
出てくるー出てくるーぅ
ゴマ粒がぁぁぁぁー
昨日の雄蕊の分解程ツラくは無いけど、なんか単調でそれはそれでアレです。 https://t.co/nReGDEHFVA
— 心の中の植物園 宮内元子 (@fureai_miya) 2021年8月29日
宮さんが悪態をつきながらも解体を進めていく様子は、申し訳ないが傍から見ていて大変面白い。狂気の研究についてもっと知りたくなったので、宮さんに詳しく話を聞いてみた。
渋谷区ふれあいセンターの愉快な日常に迫る
ドラゴンフルーツのツボミを手に入れた経緯・解体しようと思った理由を教えてください
植物園同士で繋がりのある、東南植物楽園のスタッフさんからドラゴンフルーツのツボミの詰め合わせをもらいました。
弊園ではドラゴンフルーツにツボミがつくと実をつかせることを優先するため、ツボミを分解したことがありませんでしたが、花がとても面白い構造をしているかとは分かっていました。「分解したら、どうなるだろう?」と興味を持った結果、己の好奇心に殺される羽目になりました。
ツボミの分解と、種のカウントにかかった時間を教えてください。
花の分解は約2時間半、種子のカウントは約3時間かかりました。
花の分解は おしべカウントの途中で、スタッフ1名がヘルプに入ってくれました。 また別のもう1名が、我々スタッフの本来の業務である受付でのお客様対応に専念してくれ、仲間を巻き込んだ形になりました。
種子のカウントは1人でやりましたが、ツボミ分解の時と同じく、受付業務を他スタッフに丸投げしました。土下座しても足りません。
ドラゴンフルーツに大量のおしべがあるのは、植物学的にどんな理由があるのでしょうか?
ドラゴンフルーツは夜咲く花で、原産地の南米ではコウモリが受粉の媒介を行います。沢山のおしべと大量の花粉が出ることで、雌しべへの受粉の可能性が高くなるメリットがあります。
おしべの数が多い植物は他にもたくさんあります。 一般的な花だと サクラの花は基本的には25から40本くらいのおしべのかずですが、 オオムラザクラという種類は約80本ものおしべがあります。 ネムノキ※の仲間もかなりおしべが多いですが、嫌な予感がするので数えません。
※マメ科ネムノキ亜科の落葉高木。
ちなみに、分解されたドラゴンフルーツのツボミは、「植物園中の人の自由研究」と題して今年の12月末まで展示する予定だという。
ドラゴンフルーツ研究は、現在「種がどれくらい発芽するか」を検証する新章に突入している。さらなる続報が出る日も近そうだ。
渋谷区ふれあい植物センターの魅力を教えてください
渋谷区ふれあい植物センターは日本で1番小さい植物園です。2階部分からガーデンを見下ろすと植物の葉の美しさや違いがよく見えて、最高の眺めです。渋谷に居ながらにして、都会とは思えない非日常空間がたったの100円でお楽しみいただけるので、財布にも心にも最高の癒しです。ぜひお待ちしております。
渋谷区ふれあい植物センターは2021年12月末に、改修工事のため閉園することになっている。改修後は別の施設に生まれ変わるため、植物園として楽しめるのは2021年いっぱいだ。
【長期休園のお知らせ】
渋谷区ふれあい植物センターは2021年12月28日をもち改修工事の為、長期休園の予定。
再開は令和5年の予定。
次は野菜の栽培やレストランの施設として再開予定。
*12月末までは臨時休園が発令されない限り開園いたします。 https://t.co/EUmm9P7VLP
— 渋谷区ふれあい植物センター硬式 (@fureai_garden) 2021年8月3日
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