2021年9月4日

「己の好奇心に殺された」植物園の中の人がドラゴンフルーツの蕾を分解しようとしてひどい目にあってしまう

ドラゴンフルーツのおしべってどれくらいあるんだろうねぇ?
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日本で一番小さな植物園「渋谷区ふれあい植物センター」の中の人・宮さん(@fureai_miya)が、ドラゴンフルーツの蕾(以下、ツボミ)を分解する、という実験の実況ツイートを投稿した。

ふと思いつきで、くらいのライトなテンションで始まったこの企画、フタを開けてみれば狂気の様相を呈していたと話題になっている。

これがドラゴンフルーツのツボミ

花弁をはがしていく作業までは順調そうだったが、ツボミの中心部分に至ったところで「手を出しちゃいけないヤツだった」と気付いたらしい。

その理由がこちら。

そう、ドラゴンフルーツは「おしべ」の数がめちゃくちゃに多い植物なのだ!

気付いた時には時すでに遅し。後に引けなくなった宮さんは、おしべ1本1本を摘出してカウントするという苦行に着手した。

ひいひい言いながらも解体を続け、最終的に1173本ものおしべを数えたというから驚きだ。

狂気の研究はツボミの解体に留まることなく、ドラゴンフルーツの果実に入っている種の数を集計するステージに突入。画像をご覧いただければわかるように、ドラゴンフルーツには種もびっしり大量にある。新たな苦行の始まりだ。

種もみっちみち

宮さんが悪態をつきながらも解体を進めていく様子は、申し訳ないが傍から見ていて大変面白い。狂気の研究についてもっと知りたくなったので、宮さんに詳しく話を聞いてみた。

渋谷区ふれあいセンターの愉快な日常に迫る

ドラゴンフルーツのツボミを手に入れた経緯・解体しようと思った理由を教えてください

植物園同士で繋がりのある、東南植物楽園のスタッフさんからドラゴンフルーツのツボミの詰め合わせをもらいました。

弊園ではドラゴンフルーツにツボミがつくと実をつかせることを優先するため、ツボミを分解したことがありませんでしたが、花がとても面白い構造をしているかとは分かっていました。「分解したら、どうなるだろう?」と興味を持った結果、己の好奇心に殺される羽目になりました。

ドラゴンフルーツの花

ツボミの分解と、種のカウントにかかった時間を教えてください。

花の分解は約2時間半、種子のカウントは約3時間かかりました

花の分解は おしべカウントの途中で、スタッフ1名がヘルプに入ってくれました。 また別のもう1名が、我々スタッフの本来の業務である受付でのお客様対応に専念してくれ、仲間を巻き込んだ形になりました。

分解が終わったツボミは展示用に固定された。宮さんの笑顔ににじむ達成感よ

種子のカウントは1人でやりましたが、ツボミ分解の時と同じく、受付業務を他スタッフに丸投げしました。土下座しても足りません。

ドラゴンフルーツに大量のおしべがあるのは、植物学的にどんな理由があるのでしょうか?

ドラゴンフルーツは夜咲く花で、原産地の南米ではコウモリが受粉の媒介を行います。沢山のおしべと大量の花粉が出ることで、雌しべへの受粉の可能性が高くなるメリットがあります。

ドラゴンフルーツの木。ゴジラに出てくるビオランテっぽい
花もとてもデカい

おしべの数が多い植物は他にもたくさんあります。 一般的な花だと サクラの花は基本的には25から40本くらいのおしべのかずですが、 オオムラザクラという種類は約80本ものおしべがあります。 ネムノキ※の仲間もかなりおしべが多いですが、嫌な予感がするので数えません。

※マメ科ネムノキ亜科の落葉高木。

ちなみに、分解されたドラゴンフルーツのツボミは、「植物園中の人の自由研究」と題して今年の12月末まで展示する予定だという。

自由研究展示の様子

ドラゴンフルーツ研究は、現在「種がどれくらい発芽するか」を検証する新章に突入している。さらなる続報が出る日も近そうだ。

渋谷区ふれあい植物センターの魅力を教えてください

渋谷区ふれあい植物センターは日本で1番小さい植物園です。2階部分からガーデンを見下ろすと植物の葉の美しさや違いがよく見えて、最高の眺めです。渋谷に居ながらにして、都会とは思えない非日常空間がたったの100円でお楽しみいただけるので、財布にも心にも最高の癒しです。ぜひお待ちしております。

渋谷区ふれあい植物センターは2021年12月末に、改修工事のため閉園することになっている。改修後は別の施設に生まれ変わるため、植物園として楽しめるのは2021年いっぱいだ。

個性豊かなスタッフさんたちが繰り広げる植物園の日常が気になった方は、ぜひTwitterアカウントをのぞいてみては。

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