ミニチュアで作られたリアルな小学生の部屋に注目! クリエイター・Mozuさんが生み出す「こびとシリーズ」の舞台裏を聞いた
ミニチュアやコマ撮りアニメなどを手掛けるクリエイター・Mozu(@rokubunnnoichi)さんの新作ミニチュア「こびとのベランダ」が注目を集めている。
照明スイッチを押すと…!?
僕の部屋には小さな友達が住んでいる。こびとシリーズ第7弾。
「こびとのベランダ」
全て手作りのミニチュア作品です。
制作期間は約6ヶ月。 https://t.co/x69N2EtFjv
— Mozu 展覧会愛媛4/6〜 (@rokubunnnoichi) 2021年5月12日
壁の中に小学生の子供部屋にそっくりなミニチュアを埋め込み、まるで家の中にこびとが住んでいるかのような錯覚を感じられる作品だ。
Twitterに投稿された動画には14.3万件以上のいいね!が寄せられた。
中をのぞくと、床に無造作に置かれたランドセル、ドアに貼られた視力検査の紙、ごちゃごちゃした学習机、壁にかかった習字作品など、まさに小学生の部屋そのもの。
この作品、壁から中のミニチュア一つ一つに至るまで、すべてMozuさんが手作りしているというから驚きだ。
Mozuさんは高校生の時にこびとシリーズを作り始め、高校卒業後は独立しプロのクリエイターとして活動している。こびとシリーズの第7弾となる今作について、制作の裏側や、作品づくりにかける想いを深堀りして聞いてみた。
小学4年生の頃がテーマ
ーーー第7弾のモチーフに子供部屋を選んだ理由を教えてください
Mozu:本当は僕の好きな「少し昔のオタクっぽい部屋」にしたかったのですが(こびとの秘密基地感のような感じ)、彼女から「それはもう見たことあるし、やるなら絶対子供部屋!!」と押されて子供部屋にしました。
ですが、始めてみるととても懐かしく、夢中になって制作しました。
ーーーこの部屋に住んでいる「こびと」の設定はあるのでしょうか?
Mozu:見た人の数だけ住んでいる人間像があるのが『こびとシリーズ』の面白いところなので、あえてお答えしません。 ですが、強いて言うなら僕が小学4年生だったころ(2008年)をテーマにしています。
ーーー今回、特にこだわったアイテムを教えてください
Mozu:室外機です。5日くらいかけて、異常にこだわって作りました。そして一番楽しかったです。昔から室外機が好きだったのもありますが、今作でかなり目立つポイントになるな、と思ったのでしっかり作り込みました。
室外機制作の様子を収めた動画を見ると、中のファンや配管部分といった見えにくい部分までしっかり再現してあることがわかる。
ーーー『こびとシリーズ』の中で一貫しているテーマやこだわりを教えてください
Mozu:一貫しているテーマは、「身近であること」です。誰もが一度は見たことがあるようなものや、「あー!部屋ってそうゆうふうに散らかっていくよね〜」といったあるある要素を大切にしています。共感してもらえるのは嬉しいので。
ーーー逆にシリーズを重ねるごとに、変化したポイントはありますか
Mozu:一作品ごとに「これまでにやったことないことをやる」と決めているので、新しい技術や知識がどんどん身についていっています。
例えば今作では、たくさん作ってきた部屋の中でも、初めて天井を作りました。照明が課題でしたが、うまくいって良かったです。
ーーーこれから新たにチャレンジしてみたいことがあれば教えていただきたいです!
Mozu:次の作品では、本物の水を扱おうと思っています。かなりの挑戦になりますが、ワクワクするので問題なしです。
Mozuさんの好きなこと、見たいものを満足するまでとことん突き詰める心意気が、作品に魂を吹き込んでいることがよくわかる話だった。水を使った新作も今から楽しみだ。
企業とのコラボレーションなど、活躍の場をどんどん広げているMozuさんの活動は、TwitterアカウントやYouTubeチャンネルで観ることができる。特にYouTubeでは、作品作りの見えない舞台裏を知ることができるので、気になった方はぜひチェックしてみては。