今こそ布教したい「一人用ボードゲーム」の魅力 孤独に羊を増やしまくれ!『シェフィ』編
ライターのりばすとです。
突然だが、私はボードゲーム(以下、ボドゲ)が大好き。大学時代、友人が持ち込んだ「CATAN(カタン)」に始まり、様々な種類のボドゲに触れるうち、気づけば自分でも集めるようになっていた。
ボドゲを楽しむにあたって最も重要なのは、一緒に遊んでくれる友人の存在である。しかし、社会人になると人と集まって遊ぶハードルが上がった。周りの友人は仕事に恋にと大忙しになり、どこを見渡しても暇なのは私ばかりになったからだ。
そんな私の孤独を救済してくれたのが「一人用ボドゲ」だ。一人用ボドゲに必要なのは己の肉体だけ。もちろん友人がいなくても大丈夫。何かと人との繋がりが求められるこの現代社会において、これほど硬派な趣味があるだろうか。
おうち時間が増えた今こそ推したい、「あなたの知らない一人用ボドゲの世界」を数回にわたって紹介していきたいと思う。第一回は「シェフィ」編だ。
『シェフィ』はひつじを増やすゲーム
シェフィの基本情報
プレイ時間:約15分
対象年齢:12歳以上
発売年:2013年
販売元:冒険企画局
先ほど一人用ボドゲは「硬派な遊戯」と断じてしまったが、ずいぶんとかわいらしいパッケージが出てきてた。「シェフィ」は、この愛くるしいひつじたちをあの手この手で増やしていくゲームである。
ゲームの勝敗はいたってシンプル。
1匹のひつじを、制限ターン以内で1000匹まで増殖させることができたらプレイヤーの勝ち。
制限ターンを越える、またはひつじが全滅したらプレイヤーの負け。
というものだ。
ゲームにはひつじの数を表す「ひつじカード」、ひつじを増減させる効果を持つ「イベントカード」、そして制限時間としての機能を果たす「敵ひつじカード」の3種類が登場する。
ゲームの流れ
ゲーム開始時のカード配置はご覧の通り。
ゲームはひつじ1匹からスタートする。イベントカードは5枚配られる(残りのイベントカードは山札に)。上段には、これから増える(であろう)ひつじたちが控えている。
1回のターンの流れは以下の通りだ。
ゲームの要はイベントカードだ。先述のとおり、イベントカードにはひつじを増やす効果を持つものと、減らす効果を持つものがある。
イベントカードは山札がなくなるまで使い切るルール(パスできない)なので、使う順番やバランス・戦略によって、ひつじたちの命運が決まるというわけだ。
いざプレイー意外と増えないひつじ達ー
大まかなルールを説明したところで、ここからは私の初回プレイレポをダイジェストでお届けしたい。
最初に配られたイベントカードは、「落石」「対策ひつじ」「統率」「地に満ちよ」「霊感」だった。
場に出ているイベントカードはどの順番で使っても良いが、順番を間違えるとすぐにゲームが終わるから注意が必要だ。
例えば、”ひつじカードを1枚手放す”効果の「落石」を最初に使ってしまうと、1匹しかいない場のひつじが消え、いきなりゲームオーバーとなってしまう。
まずは「地に満ちよ(1匹のひつじカードを場の上限まで増やす)」を使ってみる。場には7枚までひつじカードが置けるので、初手でひつじが1匹から7匹に増えた。やったね。
使ったイベントカードは捨札にし、山札から新たに1枚イベントカードを補充する。こんなかんじで、イベントカードにしたかがってひつじが増えたり減ったりしていくのだ。
しばらく進めて気づいたのは、ひつじを減らすカードがとにかく多いということ。ある時は枚数指定で、ある時は最大のひつじカードを狙い打ちで捨て札にしてくる。
例えば「暴落」というカードでは、せっかく増やしたひつじカードが半分になる。
ひつじを増やすカードに対して減らすカードのほうが明らかに多く、ひつじを取り巻く環境が過酷すぎやしないかと言いたくなる。
初見プレイはまさかの結末に
なかなかひつじが増えないな、と悪戦苦闘しているうちに、イベントカードの山札が無くなった。
山札が無くなったら、いったん手札にあるイベントカードを全て使用したのちに、使い終わったイベントカードをシャッフル→新しい山札を作ってゲーム続行、という流れになる。
しかし、手札のカードをよく確認すると「シェフィオン」という謎のカードがある。効果を読むと「場のひつじカードを7枚捨て札にする」とある。7枚?7枚だって?
場におけるひつじカードの上限は7枚。すなわち「シェフィオン」は発動したが最後、強制的にひつじが絶滅し、ゲームオーバーが確定する最悪のカードなのだ。
イベントカードの中には「手札を捨てる」という効果を持ったカードも存在する。「シェフィオン」は、そういったカードを利用して、使うことなく処理しなければいけなかったのだ。こんなの初見殺しじゃないか......
かくして私のひつじは絶滅した。
初プレイ感想
なんとも愛らしいイラストで騙されてしまったが、この「シェフィ」、かなりハードなゲームである。
初プレイのあとにさっそくリトライしたが、やはりひつじ達は絶滅。ひつじの置かれている環境は想像以上に過酷であり、そう簡単には1000匹に届かないように設計されているようだ。
しかし、何回か遊ぶ中である程度戦略ができてきて、少しずつひつじを増やせるようになっていくのが楽しい。ついつい繰り返し遊んでしまう中毒性のあるゲームなので、一人用ボドゲの世界に少しでも興味をもっていただけたら、ぜひシェフィを遊んでみてほしい。
ここで、初心者向けの紹介はいったん終了。次ページからは、その後さらなる研究を重ねた末に掴んだ「シェフィ」プレイのコツをご紹介したい。
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