Twitterで話題沸騰!美大生が作った「天然石の寿司」実物を見てきた
「命を食べる」という行為を身近に感じられる作品に
ーーーはまさんは大学で石の作品をメインに学んでいたのでしょうか?
女子美術大学では「素材実習」という期間があり、自分が専攻する素材を決めるために試す期間が設けられています。その間は石、木、金属、塑像紙といった素材で作品を作っていました。
3年からは極める素材を石に選び、以降石の作品をメインに作ってきました。
ーーー天然石の寿司を作ろうと思ったきっかけを教えてください
素材実習の最後に赤御影石を見つけて、その見た目がマグロみたいだなと思いました。大理石でシャリを作り、赤御影石を削ってマグロにして寿司にしたら面白そうだなと思ったのが始まりです。
そこからはとにかく寿司を集めたいという気持ちで、いろんな色の石を探して寿司を作りました。
ーーー作品のポイントや、作る際に苦労した点を教えてください
ポイントは寿司という食べ物の美しさと統一感、一体感です。大トロや鯖に使ったピンクの石を探すことに苦慮しました。
作品の中には、現実寄りの寿司だけでなく、よく見ると人体の一部をシャリに乗せた異様な寿司も交じっている。また人体は、他のネタと比べて質感や雰囲気が違うみたいだ。これはいったい…。
はまさんは、作品全体にどんな想いを込めたのだろうか。
ーーー作品に込めた想いを教えてください
「食品ロス問題」をテーマにしています。寿司ネタは魚介の体の一部であり、廃棄されている食材ももとは生きていた命です。寿司というわかりやすい食べ物をモチーフに、人体の一部をシャリの上に乗せることで、命を食べるという行為を身近に感じられるようにしました。
一方で、あまり重く捉えずに、食べ物を食べる時に「いただきます」という気持ちを少しでも大切にして貰えたらいいなという想いもあります。
人体のネタは、石の中でも比較的肌色の砂岩を使っています。見た人が他のネタとの違いに気づいたらいいなと思い選びました。
ーーーTwitterで大きな反響があった感想を教えてください
素直にありがたく思っています。五美大展はコロナで例年よりも来客数が減ってしまっていることもあり、こうしてSNSで反響をもらえたことは自信にもなりましたし、自分が今までやってきたことを見てもらえたのがとても嬉しいです。
こちらの作品、現在購入を希望する問い合わせが多数届いているとのこと。多くの人の心を唸らせた天然石の寿司、もしかしたらこれから先どこかで見られるチャンスがあるかもしれない。
はまさん、お忙しい中話を聞かせてくださりありがとうございました!