1万2000本の日本酒データを分析した「地酒の味マップ」作者に聞いた「日本酒の楽しみ方」とは?
「地酒マップ」を見ながら冒険すると楽しい
ーーRyomaKさんが日本酒を好きになったきっかけと、「酒式研究所」を立ち上げた経緯を教えてください。
大学生の頃の家庭教師先が酒屋さんで、そちらのお父様にこれがうまいからと薦められ、あまりに美味しく感動したのが日本酒にのめりこんだきっかけです。
日本酒をひたすら飲み続けてきたのですが、日本酒についてもっとよく知りたくなり、自分で直接調べてみたいと思ったのが「酒式研究所」を立ち上げたきっかけです。
ーー今回、「地酒の味マップ」を作られたきっかけや目的について教えてください。
地酒の味について、例えば「新潟は淡麗辛口」と言いますが、他の県はどういう味かと聞かれてもはっきりこういう味だと答えることができませんでした。辛口と言われてもどれくらいの辛口なのか説明は難しいです。
それを味見という曖昧な方法を使わずに科学的に確定する方法がないかデータを集めて考えた結果です。
ーー日本酒にあまり詳しくない人がこのマップを活用する際に、注目すべきポイントは?
日本酒は種類が多すぎるので、詳しい人が薦めるままに飲んでいる人は多いと思います。このマップを見ながら自分で考えて冒険してみるのは格別楽しいです。
飲食店や酒屋で好みの酒を聞かれたときに、味を言葉にするのは簡単じゃないし、有名銘柄以外で例えても伝わらないしという時に、 このマップがあると、「高知っぽい感じの酒ありますか?」 っていうのはすごく伝わりやすいです。日本酒初心者には強い味方になると思います。
あくまでも平均値なので傾向と違う酒もあるのでご了承ください。
ーーこのマップを作ったことで、RyomaKさんご自身が日本酒の楽しみ方について新たに気づいたことなどはありますか?また、TwitterやTogetterなどで多くの反響があったと思いますが、いかがでしたか?
このデータを見ながらあれこれ友達と話すのが楽しいし、次はこっちの県のお酒を飲んでみようかなとか考えるのが楽しいです。 マップの端の方の酒の飲み比べがおもしろそうです。
反響は、高知ヤバい!が多数で、こんなに高知にスポットライトがあたる事はめったにないですね。普段日本酒飲まないけど、ちょっと飲んでみようかなって声がたくさん来てるのが嬉しいです。
マップについては「確かにこんな味だ」って声が圧倒的で、マップを見ながら飲み比べしたいという声もたくさん届いています。
ーー日本酒を楽しみたいが楽しみ方がわからないという初心者に対して、なにかアドバイスなどがあれば教えてください。
酒蔵は全国に1000以上あるので、大手メーカーや新潟のいわゆる淡麗辛口以外にも、色々な味の日本酒があります。
おすすめとしては、
・お酒にそんなに強くない方は東北や九州の甘口の吟醸
・レモンサワー派は、関西の奈良や三重の生原酒
・ウィスキー派は、高知の純米酒
あたりから入ってみると面白いかもしれません。たまには冒険してみるのも楽しいですよ。
RyomaKさんは、日本酒を飲みながらこの「地酒の味マップ」の検証を行う様子もTwitterに投稿している。投稿を追いかけながら、日本中の地酒を味見していきたくなりそうだ。
高知 酔鯨酒造 酔鯨 純米吟醸 吟麗
地酒マップの検証中
ほんと辛いなあ。
コクは少しあるものの、辛い!
辛いです。
淡麗とは違うんだよなあ。
#地酒マップ #日本酒 #sake https://t.co/4EymriUqxq
— RyomaK@酒式研究所らへんの特任研究員 (@SakeShikiLab) 2021年2月1日