「架空の絵馬棚」を作って、自宅で罪悪感なく他人の絵馬ウォッチを楽しむ
無邪気な子ども絵馬
続いて、子ども(が書いたであろう)絵馬を紹介しよう。無邪気な願いに心あらわれるパートの始まりだ。
「たんじろうになる」
これよこれこれこういうの。時代を反映した直球ストレートの子ども絵馬だ。
・名前すら書かないキッズ感がいい
・字の癖が凄い
・クラスの中でも超字が汚い子
確かに、クラスに一人はこんな字を書く子がいた。一方で、「大人が頑張って書いたこども字感が消えない」という鋭い指摘も。
「鬼殺隊志願者」
同じく鬼滅の刃関連の絵馬が並ぶ。こちらは先の子どもよりも少し年上のようだ。
・しげおは小学生3年くらいの字が綺麗な男子
・鬼殺隊の漢字はアニメとかで覚えたんだろうね
最近、鬼滅のおかげでやたら難しい漢字を書ける子どもが爆増しているらしい。時代を反映した架空絵馬である。
「にじゅうとび」
いつの時代も変わらない、小学生にとっての鬼門「二重飛び」。
・この子ども文字、めちゃくちゃクオリティ高いな
・小学校1~2年生、今授業で縄跳びやってるんだろうね
・かいとくんは足が速いけど二重飛びできないから、ちょっと恥ずかしいんだろうな
幼い少年の小さな自己実現に向けた切実な願いがにじむ。がんばれかいとくん、きっとすぐできるようになるさ。
「さんすう」
可愛い!ひたすら可愛い!
・まさかの報告!?
・「じょうずにできます」という言葉選びを見るに、国語が得意な子だと見た
・本当はもっと書けるけど、習ってない漢字は使わないという真面目さを感じる
小さくても言葉選びに個性があり、書いた子の人物像を想像する有力な手掛かりになる。
「ウルトラマン」
一見微笑ましい大すけくんの願い、参加者はここからさらに踏み込んで、大すけ君の父との関係に想いをはせた。
・父親の影響で初代ウルトラマンを見てハマったタイプだと思う。現役のウルトラマンを見てたら、「ウルトラマン○○」って書いてるはず
・ここから3年くらいたったら「炭治郎になりたい」になるんだ
・お父さんちょっとさみしくなっちゃうね
いやぁ、すべて大人が書いた架空の絵馬のはずなのに、なぜこんなにも頬がほころぶのだろうか。だんだん、参加者の間に「実在する人の絵馬を見ている」という錯覚が生まれ始めていた。
オタク・趣味系の絵馬
趣味や推しへの愛・願望がほとばしる絵馬もよく目にする。そこに着目した絵馬もいくつかあったので紹介しよう。
「祝・アニメ化!!!」
なんて模範的な「オタ絵馬」だろうか。
・これはリアルなオタ絵馬
・PixivのID書いてる!!!もう完全に本物だこれ
・「普段趣味で良く絵を描いてる人がその場でさっと書いた感」も含め非常にリアル
ちなみに、『ゆるヒメ』という作品は存在しない。何から何までパーフェクトな架空オタ絵馬に、参加者一同大いに沸いた。
「絵の上達祈願」
味わい深いイラストとともに、シンプルな上達祈願が来た。
・絶妙なラインのイラスト
・これを照れずに描けるということは、中学生くらいの人と見た
・真摯に絵の実力をベースアップしたいことが伝わってきて、とても好感が持てる
「ツインテールの女の子」
こちらも同じくイラスト系だが、書き手の人物像を想像するのが難しい一枚。
・オタッキーな絵馬だが、イラストはあまり萌え系ではない
・特に絵が上手くなりたいという意思は感じない
・この女の子は、SNSとかでオリジナルキャラクターとしてずっと使ってるんだろうな
同じ絵を長年描き続けてる感が非常にリアルな一枚だった。
「2.5次元の愛」
怖いわ。どうやら、2.5次元俳優への愛を綴った絵馬のようだが…?
・ぱっと見、非常に怖い
・内容をよく読むと、大変真っすぐなファンであることが分かる
・ただ、何かのきっかけでアンチに変わる危うさを秘めている
愛と憎しみはいつだって表裏一体。どうか真摯な愛を貫いてほしい。
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