「架空の絵馬棚」を作って、自宅で罪悪感なく他人の絵馬ウォッチを楽しむ

在宅で初詣気分を味わえるライフハック
1

あけましておめでとうございます、ふ凡社鈴木です。

正月と言えば初詣。個人的に、お参りやおみくじと同じくらい楽しみにしていることがある。「他人の絵馬を眺めること」だ。

しかし、今年は新型コロナの影響で初詣も自粛。年初の楽しみを封じられて口惜しいので、「架空の絵馬棚」を作り、在宅で思う存分に眺めることにした。コロナ時代の新しい楽しみを紹介する。

友人の協力を得て「架空の人物の絵馬」を集める

初詣の折、自分の絵馬を絵馬棚にかける時に、まわりにある絵馬をチラ見し、その人がどんな人物か想像を巡らせるのが好きだ。

もちろん、真面目な代物なので、腰を据えて眺めるのはNGだと分かっている。しかし、知らない人の秘密を少しのぞいてみたいというドキドキ感から、ついつい目が行ってしまうのだ。

このドキドキを在宅でも楽しむため、以下のステップで架空の絵馬棚を実現する。

1、無地の絵馬を調達

2、友人に頼み、1人10枚「架空の人物の絵馬」を書いてもらう

3、回収した絵馬を使って、ミニ絵馬棚を作成

4、協力してくれた友人たちと「オンライン在宅絵馬鑑賞会」を開く

まず、安間製箸株式会社というメーカーさんから無地のミニ絵馬をまとめて購入。その後、友人に架空絵馬の作成を依頼。

今回は、リアルな願いではなく「あくまで架空の人物の願いを想像して書いてほしい」という形でお願いすることにした。その方が、楽しみ方に奥行きがでると思ったからである。

無地の絵馬は1枚60円くらいだった

結果、忙しい年末に意味不明な依頼をしたにもかかわらず、50枚以上の絵馬が集まった。持つべきは、何も言わずに架空の絵馬を書いてくれるノリの良い友人である。

そのまま大みそかの100均に駆け込み、絵馬棚用の木材を調達。かくして、我が家に架空の絵馬棚が爆誕した。

かなりいい感じではないか。

さっそく絵馬を読みんでしまいたい気持ちをぐっとこらえ、2021年1月2日の深夜に架空絵馬鑑賞会を開催した。果たして、どんな願いが集まったのか。参加者のツッコミと共に、とくとご覧いただこう。

オーソドックスな絵馬

まずは、「これぞ!」という感じのオーソドックスな絵馬から。

「家族の幸せ」

超・超スタンダードな絵馬が来た。家族の幸せを祈る絵馬は、やはり王道と言えよう。

参加者のコメント

 ・ツッコミどころがないほど良いお母さん感

・ 字体から50代くらいの女性が書いたものか

 ・家族で初詣に来て、1人1枚ずつ書いてるのよね多分

 
「仲良し家族」
 
こちらもオードソックスな家族絵馬。
 
参加者のコメント

お母さんが代表して書いた絵馬っぽい

前半を叶えるためには、まず後半を叶えないといけないやつ

お母さんが元気な家なんだろうなと思う

きっとこの家族は何があっても大丈夫

後半の現実感があまり気にならないほど、家族の仲の良さが伝わってくる絵馬だ。

「丁寧な赤べこ」

ハイクオリティな赤べこのイラストが目を惹く一枚。

参加者のコメント

絵が趣味のおばあちゃんの絵馬だ

絵馬を一度持って帰って、家で書くのを毎年楽しみにしてるんだろうな

この絵馬からおばあちゃんの部屋の匂いがしてくるもん

 
この世に存在しないはずのおばあちゃんの姿がリアルに浮かんでくる不思議。
「アマビエ」
 
はい来ました、誰かが描くと思ったアマビエ絵馬
 
参加者のコメント

・非常にオーソドックスでいい絵馬

・コロナ禍ならではの時事性

・「仕事が戻りますように」という言い方からして、田中さんはフリーランスだと思われる

今年は田中さんにとって、仕事の不安無き一年になることを願う。

恋の絵馬

絵馬といえば、やはり「恋愛関係」は外せない。これは参加者も共通の認識のようで、愛にまつわるドラマを感じる絵馬が数多く集まった。

「かけるとあんず」

奇をてらわない、シンプルなラブラブ感が伝わってくる。

参加者のコメント

特にコメントすることがないくらい幸せな絵馬

・「字の丸さ」から見て、平成一桁代生まれくらいのカップルでは?

・ただただ幸せな関係が続いてほしい

筆跡から書いた人の年代を特定したくなるのも、絵馬あるあるである。

「結婚祈願1」

結婚願望をストレートに伝える絵馬。

参加者のコメント

「結婚」の大きさに本気を感じる

・ただ、この手の願いは名前を書けよと思ってしまう

「結婚祈願2」

結婚祈願が被った。こちらは男性が書いたものだろうか。

参加者のコメント

その名前の伏せ方する人いる!!!!!!

30代後半感がありますね

中途半端に達筆な感じが妙にリアル

もうこの2人が結婚すればよいのではないか。

「彼氏いない歴25年」

「癖強め」の恋する乙女が来た。

参加者のコメント

・「彼氏いない=年齢」のパターンと、「前の恋から25年経ってる」の2パターン考えられる

後者の場合、この名前といい、文字の感じといい、かなり怖いものがある

・逆に、酸いも甘いも経験したバーのママみたいな人が、ウケを狙って書いた絵馬の可能性もある

書き手の人物像が何パターンか考えられるのもまた、絵馬の奥深さ。

「蒼と陽葵」

こちらも解釈がいくつかにわかれた。
 
参加者のコメント

「年」をカタカナにするのはアラサーの証拠

ホスト狂いの女性が書いた絵馬のようにも見える

・蒼と陽葵が両方とも女の子の可能性は考えられないか。恋愛ではなく、友情の絵馬説

「恋愛成就」

妙に斜にかまえた恋愛成就ハートが来た。

参加者のコメント

これ、恋愛には困ってない人の絵馬だな

モテるけど本命には振り向いてもらえない感じか

・ちゃんと住所も書いてるし、インテリタイプの陽キャ説が濃厚

限られた情報から、うがった人物像がどんどん紡ぎ出されていくのが楽しい。

「タイムスリップ恋絵馬?」

一見普通のラブラブ絵馬だが、よく見ると「平成3年」の文字が?

参加者のコメント

タイムスリップ絵馬か?

相合傘書いてるからアラサー以上であることは分かる。平成3年から付き合っているってこと?

単に「令和3年」を書き間違えたんじゃないか

令和3年の書き損じ、となれば全て説明がつく。さらに、「きっと、平成3年生まれの人だから書き間違えやすかったのだ」というもっともらしい理由を加え、タイムスリップ説は消滅した。

「琴美の片想い」

恋愛部門で参加者を全員キュン死にさせた絵馬がこちらだ。

参加者のコメント

甘酸っぱいやつだ!

恥ずかしくて端っこのほうに小さく書いたんだ

日付だけ書いたところで、ひなとくんのことを書くかどうか悩んだに違いない

家族でお参りに来た時にこっそり書いて、外れにある絵馬棚にかけたんだろうな

琴美ちゃんがこの絵馬を書くにあたりどんな葛藤を経たのか、手に取るように伝わってくる最高の絵馬。琴美ちゃんが架空の人物であることを忘れる盛り上がりを見せた。

次ページ:うがったコメントが目白押し!「変化球」の絵馬

1 ・・ 5 次へ