2020年10月6日

裁判所の前で広げる「勝訴」「無罪」の紙の名前は「びろーん」!?真相を弁護士に聞いてみた

「あの紙」の真相に迫る…!
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裁判所の外で「勝訴」と書いた紙を掲げる人を見たことがあるだろうか。重要な裁判のニュース映像やドラマのシーンなどでもよく登場するが、「あの紙」の正体について、Twitter上ではさまざまな説が飛び交っている。

まとめをたどっていくと「判決等即報用手持幡という名前がある」「通称『びろーん』と呼ばれている」「貸し出している」といった情報があるいっぽう、「貸し出しはされてない」「正式名称はジョークである」といった声もあがっている。

いったい「あの紙」は何なのか。さまざまな噂の真相を確かめるべく、現役の弁護士に直接疑問をぶつけてみた。

「あの紙」は誰が用意し、どんな流れで掲げられるのか

 

 

誰もがニュースや映画・ドラマなどで「あの紙」を一度は見たことがあるはず。しかし、あの紙を誰が用意し、どんな流れで掲げられているのかと聞かれると、謎な部分が多い。

今回取材に協力してくださったのは、鈴木宗嚴(むねとし)弁護士。この道32年のベテランで、ご自身も「あの紙」を掲げる裁判に立ちあったことがあるという。

 

――「あの紙」はそもそも何のために掲げられるのでしょう?

報道陣や外で待機している支援者に対して、裁判の判決をいち早く告知するために掲げます。そのため、確実に報道陣が集まると予想されるような、世間が注目する重大な裁判で掲げられることがほとんどです。

 

――「あの紙」に名前はあるのですか?

正式名称や、決まった呼び方はないと思います。通称みたいなものも、私は使ったことがありません。そもそも弁護士として、世間が注目する重大事件に関与すること自体がレアケースなので、自分が当事者になったときは「あの紙」と呼んでいました。

 

――「あの紙」は誰が用意しているのですか

裁判に参加した支援者など、関係者が手書きで準備します。用意する人や、紙のフォーマットに決まりはありません。弁護団と支援者・関係者間で相談して、あの紙を用意したほうがいいという判断になったら、想定される判決の紙を何種類か事前に用意しておく形ですね。

あの紙を掲げるかどうかの判断はケースバイケースで、弁護団や関係者によって対応やスタンスもさまざまです。

 

 

――「あの紙」は貸し出ししているという情報もありますが、本当でしょうか?

お伝えしたように、各自で事前に用意するものなので、例えば日弁連が貸し出したりすることはまずあり得ません。

 

――「あの紙」を掲げる時、ルールや作法はありますか?

紙を実際に掲げる人は、裁判の関係者、弁護士どちらの場合もあります。弁護士が掲げるときは、若手の先生が担うことが多いようです。

かつては裁判所の敷地内で紙を掲げることもありましたが、裁判所としては構内で掲げることを推奨していないので、ここ数年は裁判所の外に出てから掲げるシーンを見ることが多くなりました。

対応も裁判所によりけりですが、構内で掲げた場合注意を受けることもあるでしょう。

 

ーー鈴木先生が担当した裁判で「あの紙」が掲げられた時、どんな気持ちでしたか

これまで数件「あの紙」が掲げられる裁判に携わったことがあります。紙が掲げられた様子は、後になってニュースで見ました。弁護士としては、裁判に関わった方々の気持ちが第一なので、紙が掲げられた様子そのものへの感想はあまり記憶にありません。

 

あの紙が掲げられる現場で働く弁護士による、リアルな情報を得ることができた。一般の人が持つ「あの紙」に対するイメージと、実際の扱いには少なからずギャップがあるようだ。鈴木先生、お忙しい中ありがとうございました!