都会のど真ん中に流れる三途の川を渡って「絶頂睡眠」と「睡眠用うどん」を体験してきた

いったん死んだあと、うどんに包まれて寝てきました
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突然だが、あなたは死んだことがあるだろうか。
私はない。普通あんまりないと思う。

だが、なんと魔都・東京にはヘッドスパによって「死後の眠りからの奇跡の生還」を体験できる場所があるらしい。ヘッドスパってたまに美容室でやってもらえる超気持ちいいやつだ。このつらい世界、そんな快感を感じながら死ねるとか最高では?

ヘッドスパが体験できるのは「悟空のきもち」というヘッドスパ専門店。公式HPによると「独自の触れかたにより10分程度で快感を絶頂に高め」「一気に寝落ちさせる絶頂睡眠」を体験できるのだとか。「絶頂睡眠」。すごい字面だ。

公式HP。「ほとんどの人を10分程度で寝せる。」の部分が気になるがとにかく一瞬で寝られるらしい

 

快感で絶頂に高められてしまうことに少々不安を覚えながらも、好奇心に抗えず、「悟空のきもち 東京 銀座店」に行ってみることにした。

エレベーターで10階に上がると……

 

玄関即仏

 

なんで?

ヘッドスパと聞いて完全に美容室を想像していたのだが入口で待ち構えていたのは美容師ではなく仏頭だった。エスカレーターを降りてすぐこの光景なのでまじでびびる。でも冷静に考えると仏頭が置いてある入口と置いてない入口なら置いてある入口の方が絶対にいいな。

体験前にまず絶頂睡眠の説明を受ける。

 

「では今から三途の川を渡り、そのあとに死後の眠りからの生還を体験してもらいます。」

 

私今から三途の川渡るの?

どうやら三途の川を渡らないと席につけないらしいのだ。ハードル鬼高くない?悟空が一旦死んで界王星で修行して帰ってくるみたいな世界観になってきた。

三途の川は仏頭の横の扉の奥にあるとのこと。まさかこんな都内のど真ん中に三途の川があるとは思ってなかったので驚いた。三途の川、徒歩で行ける距離にあったんだ〜

「善行を重ね神々より、安らかに眠ることを許された人のみ通れる扉」
特に神々の許しは得てないが開ける

 

ゴゴゴ…

あっ

 

ウソ……


三途の川ってこういう感じなんだ…………

手がいっぱいある人


三途の川、すごい映えるな…………

イルミネーションみたいでデートにも最適

 

想像上の三途の川とだいぶ違って驚いたが、無事に川のほとりにある個室席に座ることができた。ようやく絶頂睡眠が体験できる。

緊張
ファサ……

……

………

毎日10時間寝てるにも関わらず即寝落ちしてしまい、気づいたら終わっていた。

ものすごく丁寧に頭部を揉まれ、最高かよ……と思った次の瞬間には寝ていた。こんなにも頭部を揉みしばき奉られることはないので、生まれてからこれまでの二十数年の間一度も動かさなかった何かが動いた感じがする。

たまに菩薩のように眼球を包み込んで温めてくれる必殺技を出されるのだが、こんなん全員寝るやろ。目をあたたかい手で優しく包まれると人は寝る。

イメージ図

死は救済なので、無事死ねてよかった。

終了後、セラピストさんにヘッドスパどうでしたか?と聞かれたため、「むしろどうでしたか?私の頭皮」とウザい質問で返したところ、「硬くも柔らかくもなかった」とのこと。えっそれっていいことですか!?と聞いたら「別に良くはない」そうです。良くはないのかよ。私の頭皮、良くはなかった。

ちなみにこの会社、睡眠に力を入れており、「睡眠用うどん」も作っている。
睡眠用うどんって何だよって思うだろう。
私もそう思う。

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