大根おろしを乗せちゃうの!? 江戸時代のカステラの食べ方を実際に試してみた

はたして、お味は…!?
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 濃厚な卵の風味と上品な甘さがたまらないカステラ。人によっては、なかなか口にする機会が少ないお菓子かもしれない。

 現在Twitter上では、そんなカステラの一風変わった食べ方が話題だ。

 気になるその食べ方は、「大根おろしを乗せる」「吸い物の中に入れる」の2つ。

 投稿者によると、江戸時代ではそれぞれ酒の肴と吸い物の具として楽しまれていたらしい。「当時の人が夢中になるのも納得のうまさ」とのことだが、本当にうまいのか? カステラは何もせずそのまま食べたほうがうまいのでは…?

 トゥギャッチ編集部で実際に試してみた。

 

カステラ大根おろし&カステラの吸い物

 

 まずは「カステラ大根おろし」を試してみよう。大根おろしを乗せるだけで「懐石料理っぽさ」が出るから不思議だ。酒の肴として食べられていたそうだが、気になるお味は…?

 

 スポンジのふわふわ感と大根おろしのシャキシャキ感のミスマッチは気になるが、大根おろしがカステラの甘みをいっそう引き立てているように感じられた。

 ご飯のおかずとしては合わないが、辛口の焼酎には合いそう。この食べ方をするなら、固めのカステラのほうが大根のシャキシャキ感とマッチするかもしれない。

 お次は「カステラの吸い物」を試してみよう。

 

チャポン…

 

 インスタントのお吸い物にカステラをポトリ。だしの香りに混じってに卵の甘〜いにおいが漂う。

 

 彩りは悪くなく、ビジュアルもそこまでおかしくはない。デカくて四角いお麩という感じ。

 

 口に含むと、だしをたっぷりと吸ったカステラが口の中でボロボロとほぐれる。食感は正直いいとは言えず、またカステラの甘さとだしが調和せずバラバラの味わいに。甘党の人ならありっちゃありなのかも、といった印象。

 投稿者によれば、当時のカステラはバサバサで甘さ控えめの焼き菓子に近いものだったとされているようだ。たしかに現代とは甘さや製法も異なっているため、同じ食べ方をしても味の再現は難しいのかもしれない。

 大根おろしや吸い物以外に、現代の甘いカステラをよりおいしく楽しむための食べ方はないだろうか。トゥギャッチ編集部では以下の2つの食べ方を考案してみた。

 ● カステラ刺し
 カステラを薄く切り、刺し身のようにわさびしょうゆをつけて食べる食べ方。わさびのツンとした刺激としょうゆの塩気がカステラの甘さに意外と合うのでは?

 ● カステラの蒲焼き
 カステラに串を刺し、蒲焼きのタレをつけこんがりと炙る食べ方。カステラを炙ることで香ばしくなり、タレの甘じょっぱさと調和しておいしくなるはず。

 どちらも塩気が強いものを合わせてみた。きっとおいしくなるはず!

 

カステラ刺し

 こういう食べ方もあるよね〜、と通が好みそうなビジュアルだ。上には小ネギとミョウガを散らしてみた。わさびしょうゆをつけていただく。

 

 ツンとしたわさびとしょうゆのしょっぱさのおかげで、カステラの甘みがより強くなったように感じられた。まぁ、ありっちゃありかなという印象だ。同僚にも食べてもらったが「意外とアリ」と言っていた。…マジで?

 

カステラの蒲焼き

 今度はカステラの蒲焼きに挑戦。串1本だと持ったときにバランスが取りにくかったので、3本刺した。

 

 

 蒲焼きのタレに浸して両面を焼いていく。持ち手が短くて指をやけどしそうになったので、この焼き方は絶対にやめたほうがいい。

 

 カステラを串から外して中を割ると、甘い蒲焼きの匂いが辺りに漂う。おそるおそる口に含むと、焦げ目の香ばしさとタレの甘さが合わさってこれはイケる!

 ただ少し焼きが足りなかったか、中は焼けてない部分でぐじゅぐじゅになっていた。たぶん誰もマネしないと思うが、タレを染み込ませすぎないように注意しよう。

 

 以上、刺し身と蒲焼きの2つを食べ方を試してみたが、やっぱりカステラはそのまま食べたほうがおいしいのではないかという結論に至った。甘さひかえめなカステラを使えば結果は変わってくるだろうが、今回の検証はここまで!

 最後に、カステラで有名な文明堂の担当者に、カステラのおいしい食べ方を電話で聞いてみた。

 「年配のお客さまで『刃物で切るとカステラに鉄の臭いにおいがついてしまうから、切らずにちぎって食べたほうがおいしい』という人もいます。牛乳との相性がいいのはもちろんですが、私個人の食べ方としては、ワインと合わせると、ワインの渋みとカステラの甘みがうまくマッチしておいしいです」

 ワインと合うというのは初耳でとても驚いた。しかし、やはり基本的にはそのまま食べたほうがおいしいようだ。これにめげず、また新しい食べ方を思いついたらチャレンジしてみたい。