陰の主役、サブタイトルを愛でよう!

メインでは出せない味がある!
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こんにちは、ハイエナズクラブ会長のzukkiniです。

突然ですが、我々ハイエナズクラブのサイト名にサブタイトルがついているのをご存じでしょうか?

 

「残飯で結構です。」

…こうして改めて見ると、とてもさえないサブタイトルですね。

思えば、サイト立ち上げの際に「サブタイトルを入力してください」というガイダンスに従って、何も考えずに入力したこの文字列が今もサイトのトップページに居座り続けているのです。今さら変えづらいし、なんだか取り返しのつかないことをしてしまいました…。

今日はそのような反省の意味も込めて、世間で流通しているサブタイトルというものをきちんと観察し、勉強してみたいと思います。

 

みんなの印象に残っているサブタイトルは?

まずは、基本に立ち返って創作物に目を向けてみましょう。書籍や音楽、映画など、意識してみてみるだけで、いろんなところにサブタイトルがついていることに気づきます。

広く意見を聞いてみようと、Twitterで「印象に残るサブタイトルは?」という問いかけをしてみたところ、いくつか反応をいただきました。その一部をご紹介しましょう。

1)メインタイトルとセットで覚えられている有名なサブタイトル

ワンセットで覚えられているものです。メインタイトルとサブタイトルが切っても切れない関係にあるパターンですね。

『マッドマックス 怒りのデスロード』

日本でも空前のヒットとなった名作映画です。この作品を観ていない僕でも、タイトルは記憶に刻まれておりますからね。リズム感もよく、もはや続けて読んでこその作品名!

本作に限らず、サブタイトルの印象が強すぎて、メインのタイトルだけではピンと来ない作品って結構あるんじゃないでしょうか。

たとえの古さから僕の過ごした青春時代を感じとってほしいところですが、「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント」(H Jungle with t)は、これに近いのでは。そして、この手の話題で必ず登場する「春 ~Spring~」(Hysteric Blue)も、サブタイトルまでセットで「ああアレか」となる曲なので、この部類になるかと思います!

2)サブタイトルの方が有名!?

先ほどのマッドマックスのようなシリーズものによくあるパターンとして、メインタイトルよりもサブタイトルのイメージが強いものもあります。

「トランスフォーマー コンボイの謎」

ご存じない方はすみません! 僕らファミコン世代にとっては「コンボイの謎」だけで通じる、伝説のクソゲー。いったい何が謎だったのか? プレイしたキッズのほとんどがわからぬまま大人になってしまった迷作です。

お若い方に覚えておいていただきたいのですが、おじさんがファミコンの話を始めて困惑したときは、とりあえず「コンボイの謎」と言っとけばだいたいウケます。

先ほど登場した「春 ~Spring~」も、サブタイトルだけでピンと来る人が多いという点においては、こちらにも入ってくる可能性がありますね。

3)長すぎるサブタイトル

メインに対してサブタイトルがやけに長いやつです。最近増えた気がします。

『家-ウチ- ※アルバムが1万枚売れなかったらmisonoはもうCDを発売することができません。』

これ、サブタイトル自体は「-ウチ-」で、その後ろに続く長い文言は「買ってよ!」という訴えなんでしょうか。どこまでをサブタイトルとするか悩ましい、非常に特殊な事例です。

それにしても、「家」にわざわざ「-ウチ-」という、わかっとるがな系のサブタイトルを付けるセンス…。この点は、「春 ~Spring~」センパイに通じるものがありますね。

肝心の長~いサブタイトルは、このアルバムに収録されている曲名にも多数ありました。

「セカンドseasonガールFRIEND ~女友達? 妹的存在? ただの幼なじみ? 恋愛対象? 友達以上? 恋人未満? 2番目でもない? 好きでも嫌いでもない? 都合のいい女どまり?~」

「25時間 ~もしも1日が24時間ではなくあと1時間あったら…あなたは誰に何をしますか?~」

…すごいですね。

質問が多いし長いしと、すっかり取り調べのような様相を呈しておりますが、歌手であるmisonoさんご本人のキャラクターにはぴったりですよね。そういう意味では、他のアーティストにはマネできない、とてもいいタイトルに思えます。

4)見栄え重視!? 意味は置いといて、とにかくかっこいいサブタイトル!

「サブタイトルは飾りや!」と言わんばかりに、エッジの効いたかっこいい文字列がズラッとついてくるパターンも多く見られます。

こちらは、X JAPANのライブ公演名。漢字と横文字がタッグを組んだ字面のいいタイトルが押し寄せてくるなか、注目すべきはコチラです。

「EXTACY SUMMIT 1991 “無敵と書いてエクスタシーと読む。無謀と書いてYOSHIKIと読む。”」

これは見過ごせません。「無謀」をYOSHIKIと読むなんて知りませんでした。僕の親戚にもヨシキという名前の人がいますが、50代で茶髪なので確かに無謀かもしれません。

個人的に、タイトルに深い意味はないけど、とりあえず見栄えのよさを追求しているように思われます。ここまでくるともはやサブタイトルというより、言葉の響きによる飾りの色のほうが強く感じられます。その意味では、これにしたってもう完全に「春 ~Spring~」が当てはまるんですね。って、この曲、すべてのパターンに出しちゃったよオイ。

 

実は街中にもあるサブタイトル的なもの

ここまでご紹介したサブタイトルは、ほんの一部の例ではありますが、メインタイトルで言い切れなかったことを補足したり引き立てたり、はたまた単なる飾りだったり…と、メインに負けず劣らず非常に重要な役割を果たしているように思えてきました。

このようなサブタイトルと同じような役割を果たすもの、実は街中にも結構あるんです。サブタイトルとはちょっと違うものの、役割はよく似たソイツ。説明するより、まずは見ていただきましょう。

 

「中央家庭電器 ~合理性と人間性にあふれた近くの大型専門店~」

こちらは、杉並区高円寺にある街の電気屋さん「中央家庭電器」の看板です。このように、店名だけでは伝えきれないアツい想いを乗せたフレーズが、街中にはたくさん存在しています。
今回は、サブタイトル風にいくつかご紹介しましょう。

1)わかりやすさバツグン! 「○○な店」パターン

お店の特徴をそのまま表明する、一番スタンダードなパターンです。わかりやすい例としては、こういったものです。

 

「竹の子 ~のんべえの店 カラオケもどうぞ~」

いいですねぇ。「うちは酒飲み歓迎だよ。あと、カラオケもあるよ」と、店名だけでは伝えきれないお店の方針を、それとなく看板で説明するわけです。たった一言ですが、添えられているだけで受ける印象も変わるというもの。何だか歓迎されているような気持ちになりますよね!

続いてはコチラ。

 

「かめや ~昼から飲める店~」

かっこよすぎですね。かっこよすぎて一瞬、Mr.Childrenの名曲「花 ~Memento-Mori~」が頭をよぎりました。

店名よりも説明文のほうが大きく書かれているので、「昼から飲める!」という情報以外脳みそに入ってきませんが、それでいいのです。昼から飲む人には店名など不要なのです。アルコールが入っているなら、酒の種類すらも不問です。

 

「本物の健康食 ~健康を考えた店~」

先ほどとは打って変わって、「健康」を押し出したこちらの飲食店。もはや正式な店名なのかすらわかりませんが、看板に並んだメニューのラインナップに注目。酒は百薬の長ともいわれるので見逃すとしても、タコ焼きやラーメンが健康食に含まれているのには、ジャンクフードを愛する我々としても俄然勇気が湧いてきますね。スープ餃子はあっても、焼き餃子はないところが健康志向の証!?

このように、お店の特徴をシンプルにわかりやすく補足する文言ならいいのですが、街中にはいろんな想いや思惑を込めすぎた結果、ちょっとよくわからなくなってしまったものも多々あります。

2)いろいろ書きすぎパターン

本気の多角経営ゆえに起きた悲劇の現場がこちら。

 

「くるみん ~結婚相談所・喫茶&ブティック・くるみ餅~」

驚くなかれ、すべてこの店で扱っている商品や事業です。肝心の店名「くるみん」が植木の陰で泣いてるぞ!

 

さらに、看板に入りきらなかっただけでピアノ教室もやっています! いろいろやりすぎィ! ちなみに、店主はめちゃくちゃいい人でした。

3)紛らわしすぎパターン

とにかく見てほしい。紛らわしすぎる店名とその説明。

 

「博多 ~長崎チャンポン~」

最初に見たときはパニックで、理解できたのは「営業中」ということだけでした。

長崎ちゃんぽんなのに「博多」だなんて、九州人から言わせれば「和食割烹 ホーチミン」くらいトンチンカンな組み合わせなのです。

4)意味は不明だけど妙に気になるパターン

ちょっと何言ってんのかわからないものもあります。

 

「てんま ~どすこい酒場~」

「どすこい酒場」…意味はわかりませんが、なぜか妙にソソる響きではないでしょうか。

このフレーズの背景を勝手に推察してみますと、メインの店名を彩る飾り、またはリズム感を演出する枕詞のようなものかもしれません。「どすこい酒場 てんま」と続けて読むとリズムがいい…!

5)ポエム型

伝われ! 店主の気持ち。お店側から発信されるポエムに耳を傾けよう!

 

「団らん ~一歩先を行くあなたに、一歩先を行くお食事を~」

こうして見ると、もはや歌謡曲のタイトルのようです。

こちらは、数年前に惜しまれつつ閉店した高円寺の名店「団らん」の看板に書かれていた一節。高円寺の住民であれば、このポエムを暗記しており、そらんじることができるとかできないとか…という定食看板文学の傑作の1つです。

ちなみに、常連はみなさん他店を出禁になった一歩進んだ方ばかりでした。

6)「春 ~Spring~」タイプ

前半で散々イジってしまったので責任とって紹介します。同じことを二度言う「春 ~Spring~」のマインドの持ち主を、飲食店で発見しました。

 

「台所 ~Kitchen~」

さて、こうしていろいろなサブタイトルを見ていくと、弊サイトの「残飯で結構です」もそんなに悪くないのではないかと思えてきました。

というわけで引き続き「ハイエナズクラブ ~残飯で結構です~」としてがんばっていきます。みなさま、どうぞよろしくお願いいたします!!!