「死ぬくらいなら仕事を辞めれば」ができない理由って? 過労の実体験マンガが話題に

すべてを失うその前に。
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 長時間残業や過労による自殺などの話題が注目を集めている。いわゆる”ブラック企業”にまつわる話は、たびたびネット上でもネタになるが、実際にそのような環境にいない人にとっては、理解が難しい側面も…。

 そんななかTwitter上では、「死ぬくらいなら仕事を辞めればいいのに」と思う人に向けて描かれた体験談マンガが話題となっている。

 作者はマンガ家・イラストレーターの汐街コナさん(@sodium)。かつて残業が90時間~100時間というハードな勤務を続けていたときの実体験をもとに、計8ページのマンガ作品を公開している。

 作者本人は一度も死にたいと思ったことがなかったにもかかわらず、ふと地下鉄のホームで「今一歩踏み出せば、明日は会社に行かなくていい」という思いに至ったそう。

 過労自殺について「死ぬくらいなら仕事を辞めればいいのに」と思うかもしれないが、その程度の判断力すら失ってしまうと一言。

 こういった状況に対処するには、正常な判断ができる「まだ大丈夫」なうちに、ゆっくり睡眠を取ったり心療内科に相談したりなど、しっかりと考える時間をとることが大切だと、作者は描いている。また、こうした対策を取るのがどうしても難しければ、通勤途中に安全な場所に座り込み、救急車で搬送されるのも一つの手段とも。

 Twitterユーザーからは、さまざまな反響が寄せられている。「自殺してしまった人のなかにも、“うっかり一歩踏み出して”しまった人が多いのではないか」いう想像のほか、「似たような経験をしたことがある」という切実な声も…。また、「今の自分も似た境遇だが、このマンガを読んでポジティブな気分になった」と感想も見受けられた。

 他人事のように思っていても、同じような状態に陥ってしまうリスクは誰しもあるはず。気持ちに余裕がある今だからこそ、「もしも」のときのために対処法を学んでおきたい。