薄毛から増毛までの確実なる道のり
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世の中にはいろいろある。薄毛があれば、その先に養毛や育毛があり、最終的に増毛に到達する人もいる。誰もが増毛に到達したいはずだ。薄毛で終わるよりは、せっかくならば増毛までいきたいのだ。
そこで、薄毛から養毛を通過して、増毛までの確実なる道のりを紹介したい。
薄毛への道
朝起きて、枕を現代アートのように仕上げることもある抜け毛たち。枕に毛がついている、というか、枕から毛が生えている、と思える感じだ。そんな現代アートは求めていない。
そこで、資生堂の薬用スカルプトニック「アデノゲン」の登場だ。頭皮にシューッと噴射して手で押さえると、泡が「バチバチ」と弾け、手軽に本格頭皮ケアができる。頭皮を刺激して、抜けにくく、しっかりとした髪を育ててくれるらしい。
今回はそんな「アデノゲン」を持って、薄毛から養毛、そして増毛までの確実な道のりを歩んでみたいと思う。薄毛から増毛というゴールにたどり着きたいのだ。私もおでこが広いのだ。薄毛は嫌なのだ。増毛なのだ。
福島の薄毛
ということで、薄毛にやってきた!
私が来たのは「福島県喜多方市塩川町会知薄毛」という場所。地名が「薄毛」なのだ。辺り一面が刈り取られた稲。全然生えていない。季節的なものだが、見事に「薄毛」を連想させる場所だ。
薄毛は刈り取られた田んぼが広がる場所だった。お店も家もない。少し行くと違う町名になっていたので、薄毛はこの刈り取られた田んぼだけがある場所なのだろう。見事な薄毛と言いたい。
スマートフォンのマップを見れば、「薄毛」という場所にいるのだが、辺りに「薄毛」という目印は見当たらない。電柱や交差点などに「薄毛」という道路標示があるはずなのに、いくら探しても「薄毛」の文字がないのだ。薄毛はなくなってしまったのだろうか?
偶然、近くに住む方を発見! 薄毛について聞いてみることに。
すみません、ここって薄毛ですよね?
違うよ、今は「村東」だよ。
薄毛はなくなったんですか!?
薄毛はなくなった。10年くらい前に番地整備があって、今は「村東」だね。
薄毛だったのに、それがなくなるって、もう…。
来るのが遅かったね。早くしなきゃ薄毛はなくなるんだよ。
うまいこと言いますね! ちなみに、薄毛という地名について、どう思ってましたか?
あんまり好きじゃなかったな…。だって「薄毛」だよ? ちなみに「薄毛」と書いて「ばっけ」と読むんだ。でも、漢字では薄毛だからね。
薄毛には早く手を打たなきゃいけなかったんですね。
そうなのよ!
薄毛はなくなっていた。遅かったのだ。
以前から薄毛という場所は知っていたけれど、「いつでもいいや」と思っていたら、なくなっていた。薄毛には急がなければならないのだ。いつでもいいと甘く見ていたら、今回のように手遅れになるのだ。
焦りを感じて、
「アデノゲン」を使った!
育毛には手間やお金がかかると思っていたけれど、「アデノゲン」は手軽だ。値段もお手頃。
頭にシューとして押さえると「バチバチ」という音がして、頭で何かが沸騰しているような刺激があった。別に熱いわけではないが、グツグツと頭皮を刺激する。薄毛がなくなったと知った今、押さえる手にも力がこもる。
次の目的地へ!
次は「養毛」へ行こう。
ちなみに、薄毛から最寄駅の「喜多方駅」まで歩いたら、1時間ほどかかった。そして、喜多方駅からは「青春18きっぷ」を使って移動する。「アデノゲン」のように、私もできるだけ安く「増毛」を目指そうと思う。一部例外もあるが、「18きっぷ」ならJRの鈍行が1日乗り放題だ。
喜多方駅から、
鈍行で出発!
喜多方駅から養毛がある「小山駅」を目指して移動する。とても順調なものだった。
途中で18きっぷ区間外の会津線・東武線に乗ってしまう事件があったが、それくらいは順調と言いたいと思う。
乗客は少なく、車内は静かだった。季節的なものだろうか、車窓を流れる景色は薄かった。木々の葉は散り、田んぼは刈られている。なんか薄いのだ。
そんな景色を見ていると、またしても焦りを感じる。電車のトイレに駆け込み「アデノゲン」を使った。
途中、鬼怒川温泉の辺りで、女子大生と思われるグループが大量に乗り込んできた。いい匂いがした気がする。急に私の目に映る景色が鮮やかになる。
自分のニオイも気になり始め、頭を触ってかいでみると、シトラスグリーンの香りがした。よし、戦える。
シトラスグリーンの香りは「アデノゲン」のおかげ。頭皮臭も抑えてくれるのだ。
ただ、何も起きなかった。起きてほしかったけれど起きなかった。まだ私には、彼女たちに話しかける自信が持てない。一刻も早く増毛までたどり着かなければ、と「アデノゲン」を強く握りしめた。
小山駅で養毛
そして、栃木県にあるJR小山駅に到着!
小山駅には「両毛線(りょうもうせん)」が走っている。小山駅から新前橋駅までつなぐ路線だ。「両毛」を「養毛」に寄せるつもりで、100回くらい声に出してみてほしい。「養毛」になるはずだ。そいうことだ。両毛線には養毛が隠れているのだ。
さらに、両毛のローマ字の「R」を消してみよう。「養毛」だ。まごうことなき養毛だ。
着実に、薄毛から養毛というステップを踏んでいる。もう増毛というゴールしか見えない。ちなみにここまで6時間かかっている。「アデノゲン」ならこのステップをもっと手軽に短時間で踏むことができるのだろう。
そんな場所で「アデノゲン」を、
使う!
地獄の深夜バス
朝6時に薄毛を目指して移動を始め、小山駅に着いたのは16時過ぎ。薄毛から養毛と移動したので次はいよいよ増毛だ。
小山から増毛を目指して新宿に移動した。到着したのは19時頃で、スタートからすでに13時間が経過している。
新宿駅に到着!
私の顔がテカり始めている。もう十分に満足できる距離を移動しているので、疲れがすごいのだ。電車に乗っていただけなのに、疲れる。今すぐにでも帰って寝たいところだが、まだまだ終わらない。ここからなのだ。増毛を目指すのだ。
「増毛」は北海道にあるので、深夜バスでまず青森を目指す。21時35分に出発して、青森に着くのは翌8時10分。約11時間バスに乗ることになる。朝6時から移動が始まり、さらにここから11時間のバス。地獄だ。
この緑色の深夜バスに乗る。
「アデノゲン」はいつでも手軽に髪を育てることができるが、この「薄毛から増毛への旅」は全然手軽ではない。長い時間と手間がかかり、疲れるのだ。「アデノゲン」の素晴らしさを実感する。
バスに乗車。予想以上に狭い。夜の出発なので、窓のカーテンが閉まっている。車内は疲れた目をした人で満杯で、誰もが不機嫌そうにしている。
夜中頃だろうか。「アー!」と寝言で叫んでいる人がいた。みんな地獄なのだ。夢でも叫ばなければならないような深夜バスだった。
サービスエリアで「アデノゲン」を使う。
疲れているけど、気持ちはいい!
乗車している11時間のうち、3回だけ休憩があった。体を伸ばすことができる唯一の時間だ。キツくて一睡もできず休憩だけが楽しみで、そのたびに「アデノゲン」を使った。
頭皮が気持ちいいのはもちろん、バチバチという音が私を励ます拍手のように聞こえた。
北海道新幹線開通前
朝8時10分、青森駅に到着!
鈍行しか乗れない「青春18きっぷ」で青森から北海道へ渡るには、特別急行「スーパー白鳥」を利用する。
青森県の蟹田(かにた)駅から北海道の木古内(きこない)駅までは、18きっぷでも例外的に「スーパー白鳥」に乗ることができる。もちろん走っていればである。無計画な私は、完全に乗れるもんだと思っていた。
乗れないね。
深夜バスの中で、眠れずに今後のスケジュールを考えていた。そのときにわかったのだが、私が青森を訪れたのは、北海道新幹線開業2日前。設備切り替えのため、青森と北海道を結ぶ鉄道はすべて運休。つまり、北海道に渡る方法は、飛行機か船の2択だったのだ。
驚いたが、冷静な判断で津軽海峡フェリーを選択した。そして、津軽海峡冬景色。
急に雪が降り始めた。今は薄毛でない人だって、急に薄毛になるかもしれない。常に先手を打たなければならない。この天気にはそんな教訓があったと思う。天気に関しては、傘を買っておくべきだった…井上陽水ばりに傘がない。
天気から学んだ「アデノゲン」の大切さに納得していたところ、フェリー乗り場で地元の方と知り合うことができた。せっかくなので「アデノゲン」を使ってもらえないか交渉したら、すんなりOKしてくれた。青森人は他人を疑わないのかもしれない。
薄毛対策ってしていますか?
父も祖父も薄毛で“薄毛のサラブレッド”なのですが、まだ30歳なので特に何もしていません!
それはよくないですね。私も30歳ですが、薄毛の足音を感じています。
それは一緒です。でもほら、なんか面倒な気がしていて…。
「アデノゲン」はどうでした? なんかセールスマンみたいになってるけど…。
これはいいですね! バチバチがすごい。気持ちいいし!
手軽だしね!
これ使ってたら、僕モテますかね?独身で彼女もいないんです!
それは私も一緒。「アデノゲン」でどうにかなる問題じゃないことだけは、断言できます。
一旦、「アデノゲン」で盛り上がったのだけれど、その後「周りの同級生がどんどん結婚していく」みたいな話になり、最終的にこの日の天気みたいに暗い感じに着地した。
「アデノゲン」が髪以外の問題を解決するわけはない。ただ自信は持てるかもしれない。
いざ北海道!
ということで、気を取り直してフェリーで北海道を目指す。
津軽海峡フェリーは大きな船だった。乗客もたくさんいた。普段の様子は知らないが、この日に限っては北海道に行く最も安い手段なので、いつもよりにぎわっていたのかもしれない。片道2,000円。3時間半ほどで、青森から函館に到着する。
やがて空は青空に!
船はほとんど揺れることなく、冷たい風を切って進んでいく。東京ではすでに桜の開花が宣言されていたが、ここにはまだ春が来ていないようだ。
船は14時20分に出航して、函館着は18時の予定。前日の午前6時に薄毛を目指して出発して以来、一度もお風呂に入っていないが、頭だけはシトラスグリーンのいい匂い。でも、顔はテカテカだ。
日が暮れ始めた頃、
函館に到着!
できるだけ18きっぷで移動したかったが、この時間から鈍行で札幌まで行くのは不可能。しかし、翌朝6時に札幌駅発の電車に乗る必要があるので、どうしても今夜中に札幌に行かなければならない。
深夜バスも調べたが満席だった。喜んだ。特急に乗るのは仕方がないのだ。
ということで、特急「北斗」で一気に札幌へ移動!
特急は速かった。札幌は終点なので、頭を空っぽにして外を見ていた。ただ外はすっかり暗く、特に景色は見えず、見えるのは窓ガラスに映る自分の姿だけだった。すごくナルシストみたいになってしまった。
増毛へ
23時過ぎに札幌に到着!
今にして思えば、薄毛から養毛までは短かった。たったの6時間だ。それに比べて、増毛までの長いこと…丸一日かけても、まだ着けない。
“増毛は1日にしてならず”だ。コツコツと毎日やっていくことが大切。そういうことなのだ。
1泊した翌朝、再び札幌駅。
雪です!
札幌に着いてからホテルで4時間ほど眠り、また札幌駅へやってきた。天候は雪。体力は全然回復しておらず、自分でもびっくりするくらい疲れている。
今日はここから7時間かけて増毛に行く。札幌駅から深川駅に行き、そこから留萌本線(るもいほんせん)に乗る予定だ。
札幌駅を出発してしばらくは、お客さんが乗り降りを繰り返していたけれど、やがて人は少なくなり、みな静かに窓の外を見ていた。
窓の外は雪景色。道中は疲れているほかは順調だった。ただ、深川駅に着いて驚いた。
増毛までの電車が止まっていた。
雪崩や土砂崩れの恐れがあるため、この時期の留萌本線は、留萌駅から終点の増毛駅までの区間が運休となるらしい。
4月末頃までの運休期間中は、バスが輸送代行しているのだが、そのバスも留萌駅から増毛駅は1日1本しかない。帰りの電車のスケジュールを考えると、その代行バスではほとんど増毛に滞在できなくなってしまう…。
深川駅で、
途方にくれた!
※「アデノゲン」は、頭を抱えながら頭皮ケアができるとわかった
路線バスの旅
深川駅で話を聞いて回っていたら、輸送代行のほかに、留萌駅から増毛駅までの路線バスがあるとの情報を入手。時間もばっちりだったので、これに乗ろうではないか!
ということで、深川駅から留萌本線に乗った。といっても、札幌からの鈍行との接続はなく、深川駅で2時間以上待ったのだけれど。
留萌本線の電車は2両しかなく、後方車両は立ち入り禁止で、1両目だけが乗れるようになっていた。ただ、それでも十分に座ることができるほどの乗客しかいなかった。
のどかな時間だ。みなどこに行くのだろう。きっと私が人生で一度も降りることがないであろう駅で降りていった。
そして、留萌駅に到着!
ここからさらに路線バスで30分。バスは海岸線を気持ちよく走っていく。普段はきっと電車もこの海岸線を走るのだろう。私はもうこの電車に乗ることはないかもしれない。地平線が見える海をただただ眺めていた。
長い旅が終わろうとしている。薄毛から増毛への旅。小さな積み重ねが大きな増毛という結果を導くのだ。ひたすら公共の交通機関に乗ればいいだけと、一つひとつは手軽。そこは「アデノゲン」と一緒だ。唯一違うのは、この旅はキツい。乗っているだけなのにキツいのだ。
増毛の景色
ということで、ようやく「増毛駅」に到着!
午前6時に薄毛から始まり増毛に着いたのは13時。計55時間の旅だった。増毛にはカモメの鳴き声が響いていた。古い建物が並び、空は青かった。
そして、増毛駅はぽつねんとたたずんでいた。電車が走っていないからなのだろう。
増毛駅の「アデノゲン」は格別だった。この旅の中で一番、頭皮をマッサージしてくれた気がした。とても縁起がいい気がする。増毛に来てよかったと思う。
ただし、増毛は急がなければならない。「増毛はいつでも大丈夫」と思っていてはダメなのだ。
なぜなら、増毛駅は今年度でなくなる。留萌~増毛間は2016年度中に廃止される予定なのだ。
薄毛でもそうだった。いつでも大丈夫だろうと思っていたら、なくなっていた。増毛もそうなるのだ。すぐにやらなければならない…「アデノゲン」を握る手に力が入った。
ちなみに「増毛」は「ましけ」と読む。「ぞうもう」ではないのだ。アイヌ語で「カモメが多い」を意味する「マシュケ」からきているらしい。毛ではないのだ。
街の人に話を聞くと、「増毛」を見ると「ましけ」と読むのが普通なので、逆に「ぞうもう」が読めないと言っていた。
街の方々に「増毛(ましけ)にも薄毛の人はいますか?」と聞くと、全員が「意外と多い」と言っていた。「意外と」をつけるあたり、やはり住人も「増毛」という字面に影響されているのはないだろうか。街中が「増毛」だらけで、薄毛の自分としてはパワーを感じる。
増毛厳島神社や、
増毛郵便局。
増毛を歩いてみた。甘エビやタコなどが豊富に獲れる場所なのだそう。増毛、豊富なのだ。さすがだ。
せっかくなので、「寿司のまつくら」というお寿司屋さんを訪ねた。増毛に来たら海鮮なのだ。
ちらし寿司(海鮮丼)を頼んだ。ご覧いただきたい、この豊富な海の幸の彩りを…。さすが増毛、と言わずにはいられない。
新鮮だ。今まで食べた海鮮丼の類で一番ボリューミーでおいしかったと断言できる。
ちなみにこちらの海鮮丼は3,500円だが、完食すると800円引き券をもらえる。安い。「アデノゲン」と一緒だ。ということで、大将に「アデノゲン」を使ってもらった。
どうですか?
すごいね、バチバチする。
増毛に適したアイテムだと思います!
手軽だしいいね、これ!
増毛の住人からのお墨付きがもらえた。「アデノゲン」は増毛でもオススメなのだ。
薄毛も、増毛も急がなければなくなる。急がなければならない。そして、我々は今すぐ増毛への切符を手に入れることができるはずだ。
今回の記事で紹介できなかった場所でも「アデノゲン薬用スカルプトニック」を使っている。せっかくなので、写真とともに地図にまとめた。これで「薄毛から増毛までの確実なる道のり」がわかると思う。途中で電車を乗り間違えたりしてるけど…。
そして、なんと私以外にも過酷なシチュエーションでアデノゲンを使ってマッサージしている人がいました!
(おしまい)
執筆:地主惠亮/編集:中道薫(ノオト)/企画・制作:有限会社ノオト